家系図と御先祖様のルーツがよく分かる -119ページ目
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佐藤氏の概略1

佐藤氏の由来には諸説ありますが、鎮守府将軍藤原秀郷の末裔公清が「左衛門尉」であったことから「佐藤」となったとの説が広く知られています。
その他には、藤原秀郷の居住地下野国佐野(栃木県佐野市)に由来するという説、藤原秀郷の孫文脩が「佐渡守」に任じられたことに由来する説、公清の父公光が豊後国の住人佐伯大神惟基の婿養子となり「佐伯藤大夫」を称したことに由来する説などがあります。

佐藤氏の都道府県別件数
電子電話帳「写録宝夢巣 Ver.9.01」(日本ソフト販売)より
※( )の中は県内姓氏軒数ランクの順位。
北海道 40716(1位) 滋 賀 786(58位)
青 森 9542(2位) 京 都 2426(26位)
岩 手 16907(1位) 大 阪 7306(12位)
宮 城 316171(1位) 兵 庫 4516(27位)
秋 田 25573(1位) 奈 良 969(53位)
山 形 22949(1位) 和歌山 495(94位)
福 島 26582(1位) 鳥 取 421(59位)
茨 城 9112(2位) 島 根 1572(11位)
栃 木 6673(3位) 岡 山 4652(4位)
群 馬 6936(3位) 広 島 5071(6位)
埼 玉 19192(3位) 山 口 1140(48位)
千 葉 15946(3位) 徳 島 2151(1位)
東 京 30128(2位) 香 川 1541(13位)
神奈川 27497(2位) 愛 媛 911(77位)
新 潟 19896(1位) 高 知 297(166位)
富 山 721(52位) 福 岡 6343(7位)
石 川 701(59位) 佐 賀 722(36位)
福 井 732(32位) 長 崎 2002(18位)
山 梨 2788(5位) 熊 本 2825(13位)
長 野 6152(6位) 大 分 10023(1位)
岐 阜 4154(10位) 宮 崎 3328(5位)
静 岡 10199(6位) 鹿児島 878(77位)
愛 知 14053(7位) 沖 縄 135
三 重 2839(11位)
合 計 412169(1位)

佐藤氏の『都道府県別件数分布』をみると東日本に多いことが分かります。特に東北地方では青森県(2位)を除いて1位を独占しています。佐藤氏は東日本の苗字といえます。
東北地方では同姓が集住する傾向があります。二、三の苗字で八割近くを占める村がある程です。
そこには血族の広がりもありますが、苗字をもらったという非血族の同姓もあるようです。

また「佐藤」は「佐(すけ)」という朝廷の職位(次官)を代々務めたことに由来するとの説があります。佐藤氏はトップに立つより補佐役として活躍したようです。
鎌倉期から江戸期まで大名に佐藤氏はなく、主要な公家や神官にも佐藤氏はありません。領主や主君と同じ名字を家臣は名乗ることはできません。領主層でなかったため、佐藤氏は広がったともいえます。(参照『名字の地図』森岡 浩著)

さらに東北は源義経の忠臣佐藤継信・忠信の出身地です。“判官びいき”と“反中央”の意識もあって二人はヒーロー的存在として受け取られており、東北地方に佐藤氏が広がった一つの要因と考えられます。
名字の地図名字の地図

公家の姓氏1

歴史の表舞台で活躍する公家についてみてみましょう。
794年平安京へ遷都して間もない平安初期には次のような公卿(従三位以上)がいました。
藤原・坂上・菅野・文室・吉備・巨勢・秋篠・紀・春原・良峯・多治比・安倍・小野・橘・大伴・清原
ここには飛鳥・奈良時代以来の名族や渡来系氏族の名前も見えます。
しかし、摂関期になると天皇家の外戚藤原氏と賜姓皇族源氏が公卿をほぼ独占するようになります。そこに割って入るように大江氏や高階氏、菅原氏などが登場します。

藤原氏といって公卿となったのは天皇家の外戚藤原北家であり、他の藤原氏は政治の中枢から外れていきました。
さらに院政期には平清盛一門が公卿を独占するようになります。
中級貴族や国司も公卿の勢力関係に合わせた傾向が見られるようです。

政治の中枢を外れた氏族は下級官人や有力皇族・摂関家の家司、特定の家業を世襲する家として平安京にとどまるか、地方へ下り新たな道をひらきました。

はじめに

自身のルーツ調べや家系史の調査は最も身近な歴史といえます。
しかし、自分の祖父母の生涯や事績をどれだけの人が知っているでしょうか?
最も身近な両親の事すら分からない、思い出がない、そういう人もいるくらいです。
ましてや幾世代の先祖を尋ね、その生き様や事跡を調べることは容易ではありません。
では、特別な能力(霊能者など)を持たない一般人はどうのように先祖に出会えば良いのでしょうか。

最近、「ルーツ調べ」「家系史調査」は世代を超えて静かなブームになっているといわれます。
ルーツを知りたいという欲求は自然な気持ちですが、そこに込められた“思い”は人それぞれのようです。しかし、共通してあるのは先祖に対する“愛情”や“感謝”の思いであり、悪意に満ちたものは一切ありません。
「ルーツ調べ」の素晴らしい所はここにあります。
「ルーツ・ヒーリング」という言葉がありますが、この“癒し”の効果は“愛情”や“感謝”から家系の調べが始まるからといえます。
自分のルーツを旅するというのも「ルーツ・ヒーリング」のひとつです。

遷都千二百年を超える「京都」には、神社仏閣を訪ね伝統文化を堪能する多くの観光客が溢れています。しかし、「私のルーツ」がここにあるということを知っている人は少ないようです。
「京都」に限らず自分のルーツを旅してはいかがでしょうか?
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