高血圧と頭痛その後
かかりつけ医のH先生にお話したように、甜茶を含むお茶を煎じてごくごく飲み始めて2,3日して、血圧の急上昇とひどい頭痛を経験したわけです。このお茶がトリガーになったのかは、わからないけれど、しばらくは、飲むのをやめることにしました。
実は、スギ花粉が飛び始めてしばらくは、ハーブティを飲んでいました。ネトルやエキナセアを含むハーブティで、花粉症の不快な症状がこれによって大分緩和されていました。それが、ヒノキが飛び始めたら、ヒノキにはあまり効果が感じられなかった。それで、代わりのお茶を試してみたというのが、甜茶を含むお茶を飲み始めたきっかけです。このお茶をやめるなら、またハーブティを飲もうかなと思っていました。
暖かくなってきて、PM2.5のほかに黄砂も増えてきました。それにともなってかどうだか、花粉症でなくても喉の不調を訴える人がわたしの周りでは増えてきました。実は、わたしも喉がいがらっぽかった。風邪の初期症状のような痛みはなくて、ただ、ごろごろするというか、不快感がありました。お風呂で激痛が走った日曜日は、わりと咳も出ていました。
それが、血圧が下がったら、咳が止まっていました。
ところが、ハーブティを淹れて、一口飲んだら、咳が始まったのです。
えっ?
物は試しと、緑茶を淹れて、飲んでみました。
なんと、咳が止まりました。
再度、ハーブティを飲もうと、咳が出ます。
緑茶を飲むと、止まります。
まさか、と思いながら、なんどか繰り返してしまいました。
ひょっとして、喉の不調はハーブティのせい? スギ花粉のときは、ハーブティを飲んでいても喉の不調はなかったので、ヒノキ花粉とハーブティの相性が悪いのか、、黄砂とヒノキ花粉が反応して、こういうことになるのか?
理屈はわからないけど、現象はわかる。
なので、ハーブティも飲むのをやめることにしました。
落ち着いてきているといっても、また、血圧は平時より若干高いから、カフェインは取りたくない。でも、お茶は飲みたい。どうしよう?
そうだ!前にお土産でもらったハイビスカスが残っていたはず。
ハイビスカスティを淹れました。
しばらくたって、ふっと気がつくと、明らかに鼻が楽になっています。
なんで? ひょっとしてビタミンC? ハイビスカスはたしかビタミンCがレモンの何倍って含まれているはず。
さっそくインターネットで検索してみると、ビタミンCが鼻づまりに効くという記事が見つかりました。ある人のブログに書かれていた記事なので、一次資料ではありませんが、ドイツのメソジスト病院やニュージャージー医科歯科大学などで、ビタミンCが血中ヒスタミン濃度を下げる(慢性アレルギー症状を緩和する)と言う報告があるそうです。
なるほど、鼻が楽になったのは、気のせいではないらしい。
そういえば、オミジャ茶もある。ビタミンCはレモンの6倍のと言われてる。
ビタミンCは水溶性だから、ちょこまか飲んでみよう。
冬の間、風邪の防止にとオミジャやハイビスカスを飲んでいたのに、花粉の季節になってやめてしまったんですよね。愚かであった。
わたしの場合、花粉症の不快感はもっぱら鼻なので、多少鼻声であっても、鼻がしんどさを感じなければ良しとしよう。
これで、今年も、(鼻炎カプセルを2回飲んでしまったが)これ以上薬を飲まずに、やりすごせるのではないかと期待しよう。
ところで、天気予報の花粉情報、あれ、役に立たないよね。花粉は1年中飛んでいて、種類によって反応したりしなかったりするのだから、スギはどう、ヒノキはどう、もう少ししたらイネとか、秋にはブタクサとか、種類別に言ってくれなきゃ(もっとも、花粉情報が始まるより前に、人体センサーが感知してるけどね)。寒冷地だと白樺もだっけ?花粉単体の飛散量が今年は少ないから楽だろうと言わんばかりの報道もあったけれど、花粉症仲間との会話では、「飛散は少ないって言うけど、花粉が今年は濃い気がする」「黄砂とか微粒子のせいかもね」と言う具合。花粉症は症状は不快だけれど、致命的な病ではないから、患者のみなさ~ん、なんとかやりすごしてくださいね~って感じなんだろうな。
ところで、PM2.5や黄砂がほかの化学物質と反応して発がん性を帯びるというのをニュースでやっていました。肺がんを誘発する可能性があるとのこと。そうなると、花粉防止にマスクを手放せないわれら花粉症族よりも、無防備で街を闊歩する非花粉症族のほうが長い目で見たらやばいんじゃ? なんか、わたしたちって、炭鉱のカナリヤみたいだな。
高血圧友の会?
頭痛薬のおかげでぐっすり眠った翌朝、血圧は上が137くらいまで下がっていた。朝食を取り、花粉症の鼻づまりに効くというお茶を飲んで、H医院に行く支度をする。出掛けに血圧を測ったら、上が150を超えていた。軽い偏頭痛が残っている。頭が重い感じ…。
かかりつけ医であるH先生の診察を受ける。
「22日土曜日の夜中2時半くらいに鼻づまりで目が覚めて、市販の鼻炎カプセルを飲みました。そしたら、少しして、頭の前の方が、右左両方です、痛くなってきたんです。でも、そのときは薬が効いたのか寝てしまって。朝起きたら、頭の前の方ががんがん痛くって。土曜日はそんな感じでした。花粉症の鼻づまりで、血流が悪くなってるか、どこかを圧迫しているのかなと思ってました。
で、23日日曜日には、がんがんするような痛みはなくなっていて、頭の左前が痛い偏頭痛でした。
それが、夜、お風呂で、湯船に片足をつっこんだ瞬間、頭の左半分、後ろ側まで、ずど~んと痛くなって」(先生曰く、寒い洗面所から急に熱い浴槽に入るとそういうことがあるけれど、真冬の間大丈夫だったんだもんね、おかしいね。どんな痛みでした?)
「刺すような痛みではないです。じ~んとくるような…」
「それで、脳外科を受診して、CTを撮ってもらいましたが、出血などの異常は無いといわれて、頭痛薬と胃薬を出されました(持参していった薬を見せる)。それを1錠ずつ飲んで、寝ました。今は、頭痛はほとんどありません」
目とか喉とか心音とか、一通りの診察を受けて、血圧を測ると、やはり上が150くらいある。深呼吸して再度測ると、上が137まで下がった。
先生曰く、「血圧はちょっとしたことで変動するのだけれど、あがりっぱなしでなくて、ちゃんと下がることが大事なんです。普段はもう少し低いと思うけれど、深呼吸して下がる、という状態ならば、脳外科でCTを撮っているし、様子を見ましょう。血圧が下がらなくて、頭痛が取れないなら、また来なさい」とのこと。
「実は、診察を待つ間、考えていたんですけど、ここ数日間で、なにかそれまでと変えたことはなかったかって。それで、先週の木曜日くらいから、花粉症というか鼻の症状に効くというお茶を飲んでいるんです。甜茶と赤紫蘇と熊笹のお茶なんですけど、煎じて飲んだら鼻どおりが良くなったように思えて、けっこう、がぶがぶ飲んでしまったんです。それがまずかったのかなあと。今朝も何も考えずにそのお茶を飲んだのですが、飲む前は血圧が137だったのが、飲んだ後計ったら150以上あって。関係あるんでしょうか?」
「どうかなあ。それはわからないなあ。血圧が下がったら、もう1回試してみたら」(H先生、わたしの性格、よくわかってらっしゃる。)
それから数日は、暇さえあれば血圧を計ってました。頭痛が原因で血圧が上がるのか、血圧があがったから頭痛になったのか。
ともかく、頭痛が治まるのと平行して、血圧も下がってきて、水曜日ごろには、久々に上が120台になったのでした。もちろん、
H医院からの帰り、同年代の友人ふたりに会ったのですが、脳外科で血圧が180超えててぶっとんだという話をしたら、ひとりが「あたし、200くらいあるよ。降圧剤飲んで、せっせと運動してる」、
もうひとりも「137なんて夢の数字だよ、実はあたしも去年の11月から薬飲んでる」と衝撃の告白。し、し、知らなかった…。
それはともかく、お茶の話はこれからが本題です。(To be continued…)
お風呂で激痛
23日(日)の夜、入浴中、湯船に片足を入れたとたん、頭の左半分全体に激痛が走った。
思わず、うめき声がでたよ。
バスタオルを体に巻きつけて、よたよたとリビングに戻り、和室に敷いてあった布団の上に倒れこんだ。
徐々に痛みが収まってきたので、パジャマに着替えて、いったんは布団にもぐったのだけど、不安…
夫が、救急安心センターから紹介された救急診療をしている脳外科のある病院を順番に当たってくれた。1つ目、2つ目と断られるが、3つ目の新世病院がOKしてくれて、11時ごろだったか、車で病院にいく。
その頃には頭痛はいわゆる偏頭痛で、頭の左前あたりがたまにずきんとするくらいだった。
夜間救急用の入り口を開けてもらい、受付に保険証を出す。問診は夫が書いてくれた。
その間に血圧測定。
なんと、上が180を超えている(普段は上が120くらい)! 下も100以上、脈拍も90以上。
深呼吸して、測りなおしても170を超えたまま。
以前、血圧が150近くになったときは、風邪で熱が出る直前だった。風邪が治ったら血圧も戻った。
高血圧が頭痛の原因? それとも頭痛が高血圧の原因?
診察室で医師(せんせい、と読んでね、ここでは)にこれまでの経過をざっと話し、CTを受ける。(夫が電話をしてから、脳外科医と検査技師が来てくれたのだろうか?感謝です)
CTは2,3分で終わり、すぐに結果が出て、夫とともに医師の話を聞く。
「くも膜下を心配していたのですが、脳内出血はまったくありません。花粉症の鼻づまりは見られるけれど、蓄膿にはなってません。ついでですけど、脳の萎縮もみられません(よかったあ!)」
出血がなかったのはよかったけど、じゃあ、この頭痛は何なんだ?医師にも聞かれたが、わたしは頭痛持ちではない。生まれてから一度も頭痛を経験したことがないとまではいわないけれど、数回というところだと思う。
ともあれ、脳外科的には問題なしということで、頭痛薬と胃薬を処方されて、帰宅。
翌朝、かかりつけ医のH先生のところへ伺うことにして、薬を飲んで寝る。頭痛薬がどのように作用したのかわからないけれど、鼻づまりも楽になって、ぐっすり寝た。
実は、頭痛は、23日(土)の未明に起こっていたのだ。そのことも含めて、H先生にお話しなくては。 (to be continued…)
2014年3月のニットカフェ
2014年3月19日(水) @ラポール枚方
またまた報告が遅くなり、申し訳ありません。あんまり報告がないので、中止だったのかしらとかだあれも来なかったのかしらなどと思われたかたもいらっしゃるのでは… ひとえに、わたくしの怠慢、いえいえ、これも皆、花粉が悪い、PM2.5が悪い…
それはさておき
毛糸の季節にそろそろ別れを告げる3月ですが、ニットカフェには6人のお客さまがご参集。
約1年ぶりに顔を見せてくれたRちゃんは、3種類の毛糸を1段ずつ変えて編む鹿の子編みのスヌードを編み始めたところ。全体としてグレーっぽくなるようにシックな色合いで編んでいるのですが、家で編んでいると、ご主人が「それ、ボクのだよね」。違うといっても、ぜんぜん信じてくれない。自分のを編んでくれてるって思い込んでるみたいだと言ってました。オクサマのお手製を勝手に楽しみにしてるダンナさんって、可愛いじゃないですか。ニットカフェのみんなも、「それ、だんなにあげて、それを練習台にして、次に自分の編めばいいやん」と軽い軽い。Rちゃんはかぎ編み派で、あんまり棒編みはしてこなかったとのことだから、2本編んだら、めちゃめちゃ上手くなるやろなあ。
総編み込みのベストを仕上げたHさん、今度はリバーシブル編みに挑戦です。傍らでは、最初苦労してリバーシブル編みを覚えたKちゃん。編み方は難しくないんだけど、すぐ間違えちゃうのよね、それで、解くのがまためんどくさい。めげずくさらず1目ずつ、やね。
いつも新しいネタを提供してくれるIさん、今月もちょっと面白い編み図を持ってきてくれました。完成したら、紹介しますね。ぐるぐる渦巻きに編んでいくのですが、編みあがると、裏目のお花が浮き上がって見えるのです。編み図のちょっとした工夫で、いろんな効果が現れるのね。
Tさんの作品
平置きだと、スカートみたいね(途中まで編んだブルガリアスカート風?)。でも、上は閉じられている、というか、これは全体を縦に二つ折りした状態。上の細いところは一目ゴム編、下のほうは二目ゴム編、二目ゴム編の部分は左右をはいである。先月のニットカフェの記事で、Aさんが試着した写真を載せましたが、今月、新たに編んだのを持ってきてくれたので、もっとちゃんと紹介しますね。オレンジ一色に見えますが、黒と黄色の細いラメ糸とオレンジの並太(?)の二本取りです。
そして、毎月お手製のセーターを着て登場のFさん、今月は、
Kちゃんが、「これは既製品だよね、ゼッタイ既製品だよね、既製品だと言ってえ~!」と絶叫していたジャンパー。
濃紺なので、縄編みの模様が見えにくいかなあ。正面にファスナー。中細(合細だったっけ?)の毛糸で、細い針で編んでいるので、編地はしっかりしているのに柔らか。細めの毛糸でちまちま編むのは大変だけど、大変な思いをしただけのことはあると、実感させられます。しかも、さすがFさん、完全に自分サイズ! 暖かくて、軽くて、Fさんの根気と腕前がうらやましいです。
来月は4月16日です。見学、というか、おしゃべりだけでも、どうぞ。
西陣へ (下)
2014年3月14日
ハチハチで食事して、パンを買った後は、紅茶が飲みたいというHさんのリクエストで、散策がてら東北方向に向う。ハチハチを出て上長者通を東に5分も歩けば、ハーブティのお店があるのだが、定休日だった。そのまま、東北方向に向う。流行のパンケーキを出す店もあったけれど、お腹はすいてない。パンケーキ屋さんの前の路地を見ると、あっ、あれ、随分前にHさんと来たことのある紅茶屋【卯晴】があった。
以前、めっちゃ専門的なハチミツの専門店があるからと、Hさんに連れられて西陣に来たことがあった。そのとき、そのハチミツ屋さんから教えられて、訪れたのが【卯晴】だった。紅茶のお茶漬けを食べたんだっけ。たまにHさんから、「紅茶のお茶漬け、また、食べたい」と言われることがあったけれど、え~、あそこ、遠いしなあと思っていたのが、目の前にあるではありませんか!
お茶漬けはいらないけど、おいしい紅茶がいただけると、なつかしい気持ちで店に入りました。
2階に案内されて、メニューを見ると、ランチのところに、紅茶のお茶漬けはなかった…
ケーキセットを頼む。茶葉を決めなくちゃならない。テーブルの上に並んだ、50種類くらいのサンプルが入った瓶の蓋をあけて、ひとつひとつにおいをかいでみる。だんだん鼻が馬鹿になってくるし、香りがみんな違うことはわかるけど、だからどうしたって感じ。お店の人と相談して、わたしはヌワラエリア、Hさんはニルギリに決める。
紅茶のアイスクリーム、チーズケーキ、栗のパイ、パウンドケーキ、ひとつひとつはミニサイズで、いろいろ載っているのが嬉しい。ヌワラエリアはほんのり渋みがあって、ケーキの甘さにぴったり。ニルギリはまったく渋みがなくて飲みやすい。
ここも市バスを使えばまだしも、地下鉄や京阪電車からは30分くらい歩く、決して便利とはいえない場所なんだけど、お客さんは次々やってくる。お店のお姉さんがひとりで切り盛りしているらしくて、新しいお客さんがくると、「かなりお待たせしてしまうんですけど」と言ってる。「じゃあ、帰ります」という人は、わたしたちが滞在している間にはいなかった。紅茶の量り売りもしているので、そっちの対応もひとりでしているみたい。京都恐るべし!
会計を待つ間、紅茶の量り売りカウンターで、西陣織和小物の製造販売所のパンフレットを見つけた。地図を見ると、すぐそこである。もちろん、行ってみた。
西陣織を使ってバッグやがま口、ネクタイ、ハンチングなどの小物を製作販売している。ショールームみたいなショップでした。有限会社篠屋卯兵衛(ささやうへい)が経営、創業は元文3年(1738年)、もちろん元は帯屋さん。
わたしが口で説明するより、パンフレットを見たほうがイメージが湧くでしょう。
ディズニーキャラをモチーフにしたものもありますが、全体に、モノトーンや幾何学模様でシックにまとめてあります。
帰りに途中のお土産物屋さんで、西陣帯の端切れやそれらで作ったらしい小物を見ましたが、待ったく別物です。仕立ても別次元ですし。お土産物屋さんの西陣織りを見て、西陣織ってああいうのよねって思い込むのは危険だと思いました。
京都は、古いものから革新が生まれる街だということを忘れちゃいけないな。
わたしたちにしてみれば、irohaがなかったら、ただの食べ歩きになってしまうところだったので、ここがあってよかったです。
西陣へ (上)
2014年3月14日(金)
Hさんとの月1遠足。今月のお題は『西陣』。
西陣は、京阪からはわりと不便で、バスを利用するか、テクテク歩くかの選択になる。Hさんが健脚なのを良いことに、たいてい徒歩を選択することになる。西陣と一口に言っても、千本中立売を中心とするエリアから船岡山のほうまで含めたら、すごく広い。行ってみたいところは、けっして集中せず、点在するのみ。なので、とても、西陣を歩いたとはいえないのでした。
まずは、地下鉄二条で降りて、千本通を北上、の予定が、いきなり方角を間違えてしまう(ツアコン失格だな、あたし!)。Hさんのアドバイスで二条駅で観光地図をもらっておいたのが幸いして、間違いに気づく。東山が見えないと、東西南北がわからん! 振り出しに戻って、やりなおし。
今度こそ、正しく、千本通を北上。丸太町通を渡り、下立売通を渡る。通りの名前が表示されているので、助かる。途中で、外人さん(いまどき、こんな言い方するかなあ!)に「この辺にお風呂屋さんはありませんか?」 わたしたちは教えてあげられなかったけれど、彼、手ぶらだったよ。デイパックもしょってなかったし。お風呂屋さん行って、どうするんだろ? まあ、いいか…
右折して下長者町通に入る予定が、気が付くと、上長者町通。目的地は、下長者町通と上長者町通の間なので、さしあたって問題はない。バス通りの千本通は観光地の風情はまったくないが、一歩、通りを入ると(これが通りというより路地のようなもので)、風景が一変する。犬夜来と朱塗りの格子を備えた京町家が並ぶ。ところどころに現代的な家並みが現れる。京町家は普請のたびに失われてしまうのか。過去の遺物になって欲しくないけれど、住んでいる人は違う意見を持っているのかもしれない。
上長者町通と下長者町通を結ぶ道から、路地を入る。手元の情報ではここでいいはずなんだけど…と不安になる。
途中で道路がなくなって、あとは獣道と言ったら言いすぎだけど、とても「お店」があるようには見えない土の道になる。道幅も狭い。正面に畑が見える。
行き止まりの手前に古い一軒家がある。
「ひょっとして、ここ?」
ガタピシいいそうなガラスの引き戸をあけて、「こんにちは」と言ってみる。
返事は無い。
が、たたきに、沓脱石を囲んで何足かの靴が並んでいる。
上がりかまちと玄関ホールの間の障子をあけて、中に入る。
奥へ進むと、右手に大きな部屋が開ける。その正面のガラス越しに見えるナチュラルなお庭。
ああ、ここ、ここだ。たどり着けた!地下鉄においてあった小さなブックレットの西陣特集に、まさしく、この写真が掲載されていた。
テーブルでお客さんがふたり、食事をしている。部屋の隅にパンが並んでいる。
ここは
すぐ近くを千本通が走っているとは思えない、忘れられた楽園みたい。自然酵母でライ麦や小麦を使ってドイツパンを焼いているパン屋さん。ライ麦パンを使ったオープンサンドとスープのランチをいただく。野菜たっぷりのスープ、オープンサンドもごぼうとかサトイモとか野菜を使って、滋養たっぷりという感じ。食事の後に、パンを買って帰るつもり。
店は11:30オープンで、売り切れしだい閉店。わたしたちは12時少し前に入店した。
そして、食事をしている間に、どんどんどんどんパンが売れていく!
電話でお店の場所を確認しながらやってきたお客さんが、パンを買っていく。
観光客とおぼしき団体さんが、パンを買っていく。
あっ、パンプキンシードのパン、完売したみたい。
いちじくのパンも!
次々、パンがなくなっていく。
これはやばい、と、わたしたちが立ち上がると、先客のふたりも立ち上がった。
残っているパンを眺めつつ、4人で話し合い。誰がどのパンをどのように買うか、穏便に決めた。そして、すべてのパンがなくなった。
店の外に出ると、「完売しました」の紙が貼ってありました。こんな不便なところに、わざわざやってきて、『完売しました』の紙に出会ったらショックだろうなあ。買えてよかったなあと、思ったのでありました。
帰り道、下長者通と上長者通を結ぶ路地に出て、ふと、見ると、じみ~な看板がありました。下長者通から見れば見えます。
初めてじゃないお客さんもいたみたいですが、お初のお客さんも多くて、ついでに寄るような場所ではないこんな不便なところで、お店ができちゃうところが京都だなあ。わたしたちみたいな酔狂な客がいるからだよね。
インドアカネで遊ぶ
インドアカネを試してみました。単色染めをすると、アルミ媒染で、これでもかっていうほど、けばけばしい朱色に染まります。けばすぎて、どうやって使うのがいいのかなとちょっと悩むくらいなんです。マフラーだったら、上着の隙間からのぞかせるようにしたらいいかなと思うけど、スヌードだと存在感ありすぎだろとかって。強すぎて指し色にしても浮きそう…。なので、重ね染めにすることで、ちょっぴり控え目な朱色になるといいなと思いました。
この写真はちょっと抑えた色調で映ってますが、実物はもっと鮮やか。単色よりはそれでも風情があると思います。やっぱり強いな、アカネちゃんは。
残液を使って、重ねてみました。ベースに黄土色系の毛糸を使ってみたら、黄土色+朱色で茶がかった色に染まりました。
残液は、上よりもクリーミーな感じ。上がダークチョコなら、こちらはミルクチョコ。上がデミグラスソースなら、こちらはサワークリームをかけたデミグラスソース、という具合。