まずはこの曲から。
Nena(ネーナ)の,「99 Luftballons(邦題:ロックバルーンは99)」をお聴き下さい。
Nena(ネーナ)は,1960年生まれのドイツ人シンガーソングライターです。
本名をGabriele Susanne Kernerといい,Nenaは幼い頃に両親がつけたニックネームで,「小さな女の子」という意味です。
17歳で高校を中退し,その後の3年間金細工師として訓練を受けているそうです。
1979年に最初のバンドを結成し,地元でマイナーヒットとなりますが82年3月3日にバンドは解散。
その1982年にバンド「Nena」を結成して出したシングル「Nur geträumt」がドイツ国内でチャート2位となったのですが,確かに80年代のブームに乗りそうな感じです。
それでは,このネーナのデビューシングルを,2010年のライブアルバム「Made in Germany Live」からご覧下さい。
単純計算でネーナ50歳。若いですね。若さの秘訣は,彼女がヴェジタリアンだから?
翌年,大ヒットシングル「ロックバルーンは99」を含んだセルフタイトルのアルバムを発表します。
この曲は,ドイツではもちろん大ヒット,イギリスでもチャート1位,アメリカでは2位となりますが,これはVan Halen(ヴァン・ヘイレン)の「Jump(ジャンプ)」が1位だったので仕方ないですね。
その翌年には世界中で大ヒット。日本でもブレイクし,この日本での過熱ぶりは,後の彼女のPVにも取り上げられることに。
ちなみに英語版の「99 Red Balloons」は,ドイツ語版ヒットの後に録音し直されたものです。
しかし,この後バンドのヒットは生まれず,1987年に解散し,彼女はソロの道へと進みます。
バンド解散後,1983年の映画出演を通じて知り合った俳優とつきあい始め,最初の子を産みますが11ヶ月で死別。その後,双子をもうけることになります。
それでは,この双子の一人,Sakias Manuelとステージで共演している様子をご覧下さい。
曲は,2009年発売のアルバム「Made in Germany」収録のバラードで,動画は2018年のライヴから「In meinem Leben」です。
この双子(もう一人は女の子)は,二人ともステージのバックコーラスとして参加しているそうです。
俳優と別れたのち,やはり音楽関係者とつきあう中で二人の子どもをもうけます。
そして,現在では4人の孫のおばあちゃん。
話が飛んでしまいました。
彼女のレコーディングは,子育て中は子ども向けの曲を録音したものが多くなりますが,商業的には恵まれず。
1995年には,友人から借金をしてベルリンからハンブルクへ引っ越しをするほどだったとか。
転機は2002年に訪れました。
1984年のヒット曲を,Kim Wild(キム・ワイルド)とのデュエットでリメイクした曲がドイツだけでなくヨーロッパでもヒットしました。
その後のアルバムも期待されることになります。
それでは,このキム・ワイルドとのデュエットで「Anyplace Anywhere Anytime」をご覧下さい。
2015年にアルバム「Oldschool」を発表して以来,彼女はアルバムを発表していません。
これは彼女にとっては最も長い期間となるそうですが,その分,他のミュージシャンへの曲の提供やライブ活動を行っているようで,これはこれで彼女の生き方なのでしょう。
最後に,彼女の現時点での一番新しいアルバム「Oldschool」から,「Genau Jetzt」をご覧下さい。
私には,この曲にしても,上で紹介した二つのライヴをアルバムで聴き通しても,むしろ「ロックバルーンは99」よりも,ずっとよりよく成長した彼女を感じることができました。
機会があったら,せひ皆さんも彼女のライヴ,聴いてみてください。