以前まとめていた「文献ノート」が出てきました。
最近は医療者らしいブログも書いてなかったので、
今日はある論文を紹介したいと思います。
私は職場の先輩といっしょに4年前から視覚情報と歩行の安定性について色々調査していました。
いまは視覚と立位姿勢制御になっていますが・・・・
そのときに調べた内容です。
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Visual information from the lower visual field is important for walking across multi-surface terrain.
Marigold DS, Patla AE.
Exp Brain Res. 2008 Jun;188(1):23-31. Epub 2008 Mar 6.
多様な路面をうまく歩くためには下方視野からの視覚情報が重要であることを示した論文です。
対象者は健常成人と健常高齢者10名ずつ。
彼らは特殊な眼鏡(下方視野をブラインドしています)装着して多様な路面を組み入れた歩行路を歩行してもらいました。下方視野をブラインドした条件をLVF(lower visual field occluded)とします。
この多様な路面とは、
固い路面、普通の路面、凸凹した路面、irregular、傾いている路面、滑りやすい路面
から構成されています。
そして歩く方向を4条件(control、真っすぐ、斜め、自由)指定されていますが、ここでは割愛します。
結果的には、
若年者・高齢者ともにLVF条件で歩行速度は減少。
歩行速度は年齢と歩行条件の交互作用を認め(歩行速度は年齢と歩行条件による影響を受ける)、ステップ長は視覚の主効果を認めました(ステップ長はLVF条件で低下する)。
これらは多様な路面を歩行するときに下方視野からの情報が重要であることを示唆しています。
多種多様な路面を歩行する際の視線コントロールについて、
通常視野では約2歩前を注視しています。
下方視野を隠すと、この代償ストラテジーとして、下方視野情報を得るために頭部屈曲が生じます。
これにより、注視点は通常視野の場合よりも手前にズレてきます。
下方からの周辺視野情報は障害物を跨ぐとき、凸凹した地面への足部接地時などの際に重要です。
高齢者は加齢により網膜色素変性症などを呈し、周辺視野を失ってしまうため、階段や障害物へのつまずきが生じます。
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ざっくり読むと、こんな感じでした。
本当は図表をアップしたいところですが、詳細は文献をみてみてください。
(そして、私の解釈が間違っていたらごめんなさい)
また機会あれば文献紹介していけたらと思います。