金も物も無くなって、コロンビアーナもすっかり板につく頃には、どんどん身も心も軽くなり、世界はいっきに広がり、ドーンと深まり、グーンと面白くなってくた。まあ色々大変なことはあるが、生きてるー!爆  笑 と言う実感があって気持ちが良い。

 しかし、随分、長い間、両親にも手紙が出せていないから、さぞかし心配しているだろうと思うと、心が痛む。帰りの航空券の1年の有効期間ももうすぐ切れる。そのチケットはメキシコシティーに住む友人宅に預けてある。そこまで、なんとかたどり着けば帰国できるぞという訳で、この島を出ることにした。

 島を出る日、友人たちがカンパしてくれたおかげで出国税も払え、空港でチェックインをして、後は飛行機を待つばかりとなった。

 ”オイ、いいか、出国手続きを済ませたら、空港から滑走路に降りて、いつもの所から抜け出して、街に出ろ。いつもの場所(屋台のカフェ屋キオスク)で、待ってるぜ。最後のルンバだ!”てへぺろ

 実はこの滑走路は私たちが夜遅く、忍び込んで、深夜に離陸する飛行機の滑走路の上に寝転んで、爆音を立てて飛び立つジェット機を真下から眺めるという遊びをしていた。(良い子の皆さんは絶対真似しないてくださいね。大人も)なので、勝手知ったるが家の庭のようなものなのだ。

すぐに私は降りていき、鉄線の囲いの穴からくぐり抜け外に出る。カリブに吹く風を気持ちよく受けながら、ココナッツストリートを歩いて、その屋台に向かった。

集まってくれた仲間達と最後のルンバを繰り広げ、大いに楽しんだ後、別れを告げ、こみあげてくるもので胸がいっぱいになりながら、空港に戻り、飛行機の乗った。機体が上昇していくと窓から島の長い海岸通りやみんなの住んでいる家々やヤシの木もだんだん小さく見えてくる。次第に島全体も小さく見えてくると涙が抑えても抑えても止めどなく出てくる。えーんえーん 

 しかし、えーい、ここは前進あるのみ!身体に染み込んだルンバの勢いで北上を続けた。 

 この島からグアテマラまで飛んで、」そこからメキシコシティーまで、山を超え、村を通り、またもやヒッチハイクや野宿やとお過激でスリル満点の旅は続くのであった。