10章 ~人生のタスク〜

 

②食は薬なり

 

私は、

文字を
書く事や

 

文章を

綴る事が

昔から好き。

日本の
オーガニック市場を

もっと広げ、

 

オーガニックな

ライフスタイルを

 

世に広めようと

INYOUという

会社で、

 

”ライター募集”の

広告を
見つけた。

 

短い期間
だったが、

 

ライターとして

デビューし、

 

いくつかの

記事を

掲載させて
もらえた。

その記事を

たまたま

見た、

 

ニューヨークから

ガン治療の為に

 

家族で

引っ越してきた

30代の
女性から、

 

その
INYOU

編集長を
通じて、


彼女の

ガン治療の為、


料理作りの

サポート依頼が

あった。

私は、

彼女の回復を

ただただ

願い、

 

出来る限りの事
をした。

 

彼女は

癌のかなり

末期状態で、

 

驚くほど
痩せこけていたが、

 

生きる希望を

強く持つ

 

精神的に

とてもタフな

女性だった。

毎日、常に
辛い痛みが

全身を襲い、

 

 

それをしばし

忘れさせてくれる


マッサージや

お手当が、

彼女には

必要だった。

 

最初は、

私の作る

 

玄米菜食
ご飯を

 

彼女は喜んで
食べてくれたが、

 

食事療法の

効果が出るには、

 

どうしても

時間がかかる。

毎日
彼女の肉体は、

 

痛みや辛さが

酷く続き、

 

私の料理よりも、

調理後に


サービスで

行った
 

私のマッサージを

より

必要とした。

 

彼女は、

絶え間なく
苦しめられる

 

痛みの辛さに、

だんだん

メンタル面が
 

弱っていく

様子だった。

食事療法も

途中で諦め、

 

私のサポートを

たった
数ヶ月で
 

ギブアップ

してしまった。

 

あれ程

症状が酷い、

 

末期の

癌患者さんと

向き合った
経験は

 

私には
貴重で、


とにかく

出来る範囲で

ベストを尽くした。

一人の
女性同士として、

 

互いに

様々な話をし、

 

心が

通い合ったと

感じた矢先の、

 

彼女の

ギブアップ

だったので、

 

私は

”やり残した感”が

強く残り、

悔しかった。

 

彼女の回復を

見届けられず、

 

私の

不十分さ・

不甲斐なさに、


中途半端な

気持ちが、

しばらく残った。

彼女の

苦悩や辛さを

創造すると、

 

とても切なくて、

溢れる涙が

止まらなかった。

 

そして、

苦しく不条理な

重篤な病に、


今も

苦しむ人々が

 

この世の中に、

かなり多くいる。

 

その現実を、

目の前に

 

叩きつけられ様に

私は感じた。

「佳子に

何が
出来るのか?」