4章 ~希望なき”どん底状況”~

 

③「死にたい」=「生きたい!」

 

大学卒業式には、
とりあえず、


袴を着て
記念撮影し、

出席した。

 

でもその前の
1年弱は、

 

自宅に引きこもり、
「食べては寝る」

だけの、


獣のような
時間が


悶々と
過ぎた後だったので、

 

体重は
10㎏以上
増えていた。


当時の写真に

残る私は、

 

ただの

鬱状態の

子豚ちゃん。

 


ある日、

 

 

自分に価値を

 

見い出せず、

「私一人が
いなくても、

この世は廻る。」
 
食べて寝るだけの
私の生活は、
 
更に両親に
心配と負担、
気苦労を
かけるだけ…。

ある日、
遂に思い立ち、
自殺を図った。

首にかけた
丈夫そうに見えた
ベルトが、
 
私の重い
体重を
支え切れず、

失敗に
終わった。
 
その時、ハッと
我に返った。

「もし、
私の死体を
家族が帰宅して
見つけたら…。」

何て、
家族の迷惑を
一切考えず、

どれ程
自分勝手で

最低な事を
しようとした
のだろう?
 
祖父の死で、
「死ぬ時、
後悔が無いよう、
生きる!」
 
私はそう、
決めたはず…。
 
自殺が失敗に
終わった
という事は、
 
もう一度、
 
生きる
チャンスを

貰えたのかも
しれない…。
 
ふと我に返って、
活かされたこの
私の命を、
 
誰かの
役に
立てるような、
 
”癒し”に繋がる
仕事を
したい!
長く長く、
先に
出口があるのかさえ、
分からなかった
 
闇の1年から、
 
やっと希望の
光が、
 
私に差した
瞬間だった。
 
私の心に、
”生きる
希望の灯”が
点った。
 
父母は、
ただ静かに、
 
「佳子はきっと
立ち直る」
 
そう信じて、
私の
1年近い

引きこもり
期間中、
忍耐強く、

待ち続け、
見守ってくれた。

今でも、
その頃の
両親の

心労や心配、
苦労、
 
私への
深い信頼や
愛情を
思い出すと、
 
感謝の
気持ちで、
涙が
今も溢れる。
この辛かった
記憶も、
 
今は、
長い人生の
精神修行に
必要だった。

私にとって、
これはターニング
ポイントで、
 
かけがえのない
通過点
だったのだと、
 
感謝すら
覚える。