砂原糖子
キャラ文庫
笠井あゆみ
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
作家 ×新米編集者
初めて同士
年下攻
俺様攻
美人受
ヘテロ受
業界モノ(出版)
担当ファッション誌の休刊に伴い畑違いの文芸誌に
配属となった晶川(受)。
慣れない世界に加えて
初めて担当する本屋敷(攻)は、
とんでもなく横柄でだらしなく
執筆もせず居ついた猫たちとダラダラする
だけのいけ好かないヤツだった。
同じ部署の奴らにも本屋敷にも一矢報いて
やりたいと肩で風知って夜の街を、歩いた先に
思わず飛び込んだのがゲイバーだったりして、
店にはあのいけ好かない作家先生が居て…
有り勝ちな展開ながら
ヘテロな受がこれまた男経験のない攻と
試行錯誤、七転八倒しながら身体をつないで
心も繋いでいく過程が
この手の話では珍しくて、
新鮮な気持ちで読めました。
又、受主の晶川さんが美人なんだけど
結構口が悪くて
攻主の本屋敷ならぬ猫屋敷先生も
さすが作家なので独特の屁理屈で
2人の会話劇が楽しい。
又、初期の2人のHシーンは
猫屋敷先生が男性経験発で
男子高校生並みに盛っちゃって
余裕なし&ガツガツで
なんだか可愛いのに対して
晶川さんがひたすら気持ち良くなく痛いのを
必死で我慢したりして
リアリティを感じた。
(そだよね、いきなり気持ち良くなんて
ならないよね。)
でも少しずつ心を通わせて行って
本屋敷先生はゲイかどうかもわからない
あやふやなポジションから
初めて晶川さんと経験して
一気に炯眼したみたいで
恋まっしぐら!で
猫というよりワンコ攻。
対する美人でヒラリヒラリと
本屋敷先生を翻弄する
ヘテロ晶川さんこそ猫のように
身体をエサに原稿を巻き上げるその手腕
お見事。
本屋敷さんは初めて覚えた男のカラダに
原稿を書いて書いてひたすらおねだりして
ホントに忠犬君のよう。
そして2部では
めでたく恋人同士になった後
迎えるはじめての本屋敷先生をのジェラが
これぞワンコ攻と
言いたくなる王道嫉妬で
甘々です。
でもただだらしないだけじゃない
やるときはやる良いワンコ。
ピンチの時にはいいとこ見せて
晶川さんを惚れなおさせちゃいますよ。