犬飼のの
フルール文庫 ブルーライン
笠井あゆみ
⭐️⭐️
童話BL
切な系
不憫
異国歴史ファンタジー
短編集
⑴輪シリーズ ヘンデルとグレーテル風
兄と弟のそれぞれの恋話(どちらも受)
⑵人魚シリーズ
人間の王子(攻)×人魚の王子様(受)
⑴兄の話が分量多め
家族を食べさせるため鬼畜のような両親に
男娼として安価で働かさせられる日々。
ある夜、父母がそろそろ弟も男娼として働かせようと相談をしているのを聞いてしまい、
弟を連れて家出する。慣れない遠出に暗い森の中に迷い込んで行くとそこには怪しげな家があり…
不憫な扱いを受けるユリアス(受)が
やっと幸福を見つけるお話。
弟想いで優しい彼が森に住む青髭の男を
悪魔と勘違いして
自らの肉体を犠牲にして
弟を助けようとして
結果的に将来の伴侶を手に入れるお話。
始終素直で天真爛漫な弟くんに
対してやや苦労性でネガティブ思考の
お兄さんユリアス。
青ヒゲの男フェルナン(攻)からの
一目惚れ猛アタックも
ぜんしょくの引け目から
素直になれずヤキモキするお話の展開。
それだけに2人が銀の指輪で
変わらぬ愛を誓ったラストは
感動もひとしおですね。
対して弟くん・テオ(受)は
世間知らずの箱入り君で
超ポジティブ思考。
他人の悪意には無頓着で
そのために自らの貞操の危機に
陥ったりしますが、
そこに助けに現れた
高貴なる身分の美青年・ジーク(攻)に
助けられ、その流れで
ジークとエッチな事をしちゃいます。
(最後までは無しですけどね)
でも、ジークの
『大人になるまで待つから、
いつか必ず会いに来て』
と言って金のブレスレットを
エンゲージリングよろしく渡すラストは
後日談も有と見た。
この続きは又いつか商業誌発表あるのでしょうか?
⑵かなり切ないお話
でもとっても素敵な自己犠牲のお話なので
ネタバレはしないでおきますね。
でもだからこそ途中かなり不憫で痛いです。
本来のグリム童話自体も
大人になってわかるのは
かなり人間の闇みたいなものが
描かれてますよね。
なのでこちらのシリーズも
登場人物の周りの生き物は
結構嫌な奴だったり
気持ち悪い人が出て来たりします。
そこご読み進める中で
辛かったり、不快になったりする方も
いるかもしれませんね。
こちらの童話シリーズは
今後も出版されているようですね。
ヤクザ
学園
兄弟
など
一通りのBLを読んで
何か新しいジャンルを探し求めている方に
お勧めしますよ。