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漫画 雪居ゆき 原作ARUKU
ビーボーイコミックスデラックス
⭐️⭐️⭐️

会社の常務 × 工場職員

メルヘンチック
玉の輿
けなげ受


吃音コンプレックスを抱える道雄(受)は、
天涯孤独の身で、
ちゃんと喋れないコンプレックスから
友人もいない孤独な毎日を送っていた。
唯一の温かい思い出は
昔いじめっ子から助けてくれた
ご近所の悠馬(攻)だ。
その人は、今では道雄の働く消しゴム工場の
若き常務として工場にやってきた。
 しかし爆弾騒ぎでその悠馬が視力を失ってしまう。
  道雄は悠馬が心配で勇気を振り絞って
悠馬の病室にそっと花を届けたり
お菓子を差し入れたりする事に。
ささくれた悠馬の心にそんな
『名乗らぬ人』の行為に信頼を寄せるようになり…



まんま『人魚姫』ですが
安心してください。ハッピーエンドですよ。

道雄のライバルとなる
おとぎ話のお姫様役には
銀行令嬢が登場。
しかしおとぎ話では普通のお姫様だったのが
この作品では主人公の当て馬らしく
かなりヒールとしてキャラづけされてます。
なのでこちらの方が
アンデルセンより
分かりやすくて、
感情移入しやすいんじゃわないですかね。
だって善人ばかりの物語だったら
捨てる方も捨てられる方も
後味が悪いですもんね。
ライバル・当て馬には
これくらいヒールでいてもらわないとね。
 それに対して受主人公の道雄は、
けなげで善人なので
悠馬のが幸せになってくれるならば
自分が隣にいなくてもいい
それどころか自分の角膜を悠馬に差し出しだっていい
なんて思うくらいの良い子ちゃんなんです。
そんなピュアッピュアな子だから
悠馬の悪友の柏原さんも
本気で悠馬に惚れたり
したんでしょうね。
おかげでノンケの悠馬さんも
自分の中の嫉妬と独占欲に気づいたから
柏原さんの存在は大きかったな、と思います。
あとがきの書き下ろしミニコミで
ちょこっと触れていたように
柏原さんも早く幸せになってもらいたいな。

ノンケの悠馬さんは
最後の最後にやっと道雄に手を出した割に
相手の身体を気遣ってない感じのHが減点。
もう少し頑張りましょうね。


もうひと作品
『ダリアの恋』
は戦中戦後の日本物語
結核と戦争という
悲劇を抱えた男同志の恋
短編ですが
切なくて震えるような
繊細で美しい作品