水上シン

ジュネットコミックス


短編1つをふくみ

表題作1つと「斜陽華族」1つ


昭和レトロ

軍服

耽美


表題作「男妾」

軍人 × 病気の母を養う貧乏少年


父が亡くなり、病気の母をかかえ、

これからの生活に不安になる速人(受)に

やさしく声をかけてくれた父の友人・堂島(攻)。

彼にほのかな温かさを感じ、

彼の言葉を頼りに家を訪ねてみることに、



「斜陽華族」

困っている人はほっとけない華族の運転手 × 元華族

アダムは雇い主の子・ルークにその日までは

声をかけられたこともなかったのだが、

その日、いつものようにルーク様を学校から自宅に送り届けると

そこには幾人もの債権者があつまり、破産を告げてきた。

またルークを怪しげな人買いに売り払おうとする彼らをみて

いてもたってもいられず、

「借金は私が払う、ルーク様を連れていくな」

思わず、自分の屋敷に連れ帰ってしまうのだが・・・・。

 そこでは少し口うるさいが面倒見の良い執事兼料理番のマイヤーが

ご立腹。

「こんな役立たずの子の代わりに屋敷の中のもの一切合財もってかれちゃいましたよ」

 厳しくもやさしいマイヤーの手ほどき、アダムのやさしさに触れて

変わろうとするルーク。

*どちらが受、攻かは本編でぜひ!




水上先生 あ~ なんて不思議な先生

昭和の香りがします、まさにその時代の作品多い気がしますし、

「愛玩少年」とか

今回の作品も

「男妾」「斜陽~」ともに昭和?大正?な時代

「斜陽~」は外国ですがでも、そんな雰囲気

また受少年の大きな黒目ガチな濡れた目がやはり先生のポイント!


不遇な少年が大柄な男に・・・・

というシチュエーションはかわらず、


ただ、「男妾」にも「斜陽~」にも愛があふれています

山藍先生の挿絵を担当された水上先生なら

かなり強引に受に迫る攻主人公なイメージなのですが

こちらの本は 中編2つはともに少しヘタレ?な攻が

受をどうあつかったらいいか迷い戸惑うかわいらしさがあります。

「男妾」の藤堂さんは色事に疎くて

近所のがめついじいさんとその男妾の二人になかば無理やりの調教で

やっとこさ速人くんに手がだせたくらい、


「斜陽~」も

3人どんな関係におさまるのか

とても楽しい作品に仕上がっているのですが、

アダムはとにかくやさしくて、気が弱い?

マイヤーさんはかなり強気で上からなんだけどとってもあったかいお母さんみたい

ルークのひ弱さが気になるところですが二人とかかわることで

すこしずついやさらしく、したたかに育っていくのが垣間見れてよかったです (笑)

「斜陽~」は水上先生らしからぬ、いい意味で

コミカルな作品で非常に楽しめました

表題作でもないのにオマケがついているくらいだから先生もお気に入りなのかな?