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火崎勇
キャラ文庫
Ciel

⭐⭐⭐⭐

青年社長 .被害者家族
×
会社の御曹司、加害者家族

犯罪
監禁
病みエンド


昔いなくなった優しい初恋の人が
冷徹にひょうへんして戻ってきた。
大会社の社長を持つ大学生の一水(かずみ・受)は、ある日、何者かに誘拐されてしまう。
そこに駆けつけてくれたのが、
かつて一水が淡い恋心を向けていた
父の元秘書で失踪していた三上(攻)。
驚き、喜ぶ一水だったが、そんな一水に
三上は
『私が犯人だ、これからお前には
   自分の父親がした償いを一生その身体で償ってもらう。俺の欲望のはけ口としてだけだ』
監禁された密室で、
憎むように犯される‼


このテーマを聞いた時
秀先生の
[堕ちゆく者の記録]
を思い出しましたが、
あちらの攻めがー観察者なら、
こちらはー復習者
両親が、受の父親に騙され権利を奪われ、故意に借金を背負わされて
自殺に追い込まれるという
壮絶な恨み。
まあ、受には、理不尽ながら
動機があるだけましか⁈

でも、最初から、多分攻の愛情はダダ漏れです。受もうっすら気付いて、
彼の心情を理解した上で、
心の中では納得して
彼の暴挙に付き合っている節が、最初から描かれてるから、
出版出来たのかな?
もちろんこのテのロマンス物は
受も密かに攻を好きだったというものが多く、今回の一水くんもそう。
ダカラこそ、三上からの無理やりな
姦淫をも受け入れています。
、ここを履き違えちゃうから
時々現実に変な事件が、起きちゃうんでしょうね。
今後このテの出版物は表現など難しくなるか

そこは置いて、
今回は、
単なる監禁LOVEチャンチャン、で終わらず、
お互いが、そこの重大さ罪深さを
飲み込んだ上での真摯な決意も表されていて、より他の作品より深みを感じました。

失意の内に亡くなった両親のためにも
加害者の息子を愛してはいけないという
苦しい中、それでも、一水を欲し、その動機付けに
(これは愛じゃない、陵辱だ、強姦だ)
と自分自身の恋心に足枷をはめ、
一水もかずみで、
本当は
三上さんのためを思ってら
本当はこんな犯罪行為に浸らせず、
自分からそっと彼の側を離れたほうが今後の彼のためになるとわかっていても、
彼が欲しい、という欲が捨てられず
犯罪芝居に乗った形で
愛をまっとうしようとする。

確かに正しいハッピーエンドの形ではないので
賛否両論、好き嫌い分かれると思いますが
似たような作品が多い中
新鮮でドキッとさせられて私的には
心に残る作品となりました。

イラストのCielさんも
久々拝見したら素敵です。
攻の雰囲気が、やまね先生に少し似てぞくっとする感じが、好きデスね。