あさぎり夕 コバルト文庫 おおや和美☆☆

大学で一番の有名人,美貌で秀才の大学院生
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家族に何でもお任せだった甘ったれ大学1年生(現在自立修行中)

一つ屋根の下物

ピュアラブ、Hシーン少なめ
H描写フェイドアウト系

訳ありで親元を離れ、

自立を目指して

一人暮らしを始める事を決めた小谷里久(りく )は、

思いがけず、

個性的なメンバーが集う

アパート『潜水館』に住む事になる。
そこでは、何と大学で

その美貌と秀才ぶりで有名な

周防カイエ(攻)とルームメイトに!
 でも、カイエはとんでもない

外ズラ「ジェントルマン」で、

アパート内では、口が悪い・物ぐさ・態度が悪いの

超「傲慢オトコ」な正体を見せられる。

 それでも、その天使の如き美貌を見てしまうと、

オトコとわかっているのに、

里久の頬は勝手に赤く、

心臓はバクバクになってしまう。

『俺と同室なんて10日持つかな』



恋?の行方はどうなっちゃうの?!


人気BLシリーズ『タクミくんシリーズ』を彷彿させます。



あんなに甘くてジェントルマンじゃないんだけどね。
 「オイっとか
 「チビ、!」とか
 里久の事を呼び、
名前も呼んでくれないうえに
小突かれたり、

蹴られたり、転がされたりとか
かなり乱暴な扱いてましょうか、
でも、それも作品の最後のほうで分かるのですが、
カイエなりの里久への親愛の情の表し方なんですよね。
うんと昔からその美貌の為に、
他人が、メドゥーサの如く吸い寄せられ、

自分の周りに群がって来たのがしんどく、

皆の期待のいい子の仮面を外そうとすると、

「何かあったのか


いい人の外ヅラも外せず、
自分の内面を見てくれる人を

ずっと探し求めていたカイエ、
そんな繊細な内面は

タクミくんシリーズのギイにもつながる
超人なりの孤独と悩みなんでしょうか,



何でも出来る7歳年上の兄からの

執拗な言葉の暴力と

,自分が生まれてきた事への意味と、

家族の中での役立たずな存在に耐えられず、

実家を出て、独り立ちしようともがき、

前に進む青少年なんですね。

 昨今のエログロBLにはない

爽やか、ヒューマンな1本でした。
その分Hシーンは最後の最後1シーンのみですが、

それはこの作品では、ちょうどいい感じで,

むしろ、この二人の恋の過程の紹介には

ちょうどよかったと思います

 もう1人の主人公里久も、
 と過剰に反応されて来たせいで
 カイエが=ギイ
 里久が、=タクミくん
に見えてきます。
 ただし里くんにとってのギイ(カイエ)は、
 超絶美形と平凡少年の設定は

特にイラストがおおや先生という事もあるんだろうな
と不吉に宣言されて、
里久の自立と、