樹生かなめ 講談社X文庫 奈良千春 ☆☆☆☆



10歳年上の姐さん女房が好きすぎていてもたってもいられないヤクザの組長 

×無自覚で色気を降りまくる?!真鍋組で最も危険な核弾頭とこ美人内科医

シリーズ14作目 タイから続く、

清和たち真鍋組襲撃事件顛末、完結編。



いよいよ、清和が新宿の街に戻ってきて、

組は安泰か!?と思いきや

真鍋組の裏切りものもはっきりしていないし、

敵の親玉、名取グループの後継者、

秋信社長からの執拗な嫌がらせも

まだまだ続く不穏な流れ。



 それでも名取グループの現会長に

恩のある清和(攻)たちは、

手も足もでない状態で、

ついに、真鍋組の最終兵器こと、

氷川先生(受)牙を剥く!?



 それにしても、普段あんなに

嫉妬深い清和くんなのに

氷川先生が秋信社長一派にさらわれ、

あわやアメリカ人のスケベおやじに

襲われそうになっても

名取グループにそっぽをむかないなんて、

不思議だな~



 そんなに名取グループの恩って大事なの??

それもこれも痺れを切らした

真鍋組策士の祐くんが

すべてシナリオを書いて、

真鍋組と名取グループの縁切りのために

動いていたというのも、

なんかかなり遠回りだけど壮大な計画かな?



 そして、その計画の重要なポストが氷川先生。

彼の無鉄砲で鉄砲玉な行動力を活かして、

名取グループ会長のものにむかわせ、

今後の真鍋組と名取グループの協力関係の終了宣言をさせます。



 今まで資金面での重要な役割を担っていた

「名取グループ」がなくなって、

資金面では苦しいが、

本当の意味で首輪のない

自由な「真鍋組」となって、

これからの活動に期待がもてますね~。



 それに、今後も氷川先生がどんな活躍をしてくれるのか

(本人認めていませんが、

 誰よりも有力な真鍋組の組員ですから)



 あとあと、気になる真鍋組の裏切りものは

やっぱり「シャチ」さんでした。



実の妹が名取グループ関係者の嫁になって

彼女を人質にとられ、

清和たちを暗殺することを依頼されてたって、

どんだけ後付なんだ!!!って

思いましたけど、まあ、これはBL小説だって

わすれちゃいけないよね、(笑)

伏線なくても、まあ おもしろい!



けど、シャチさんはやはり組長を裏切れなくて、

ギリギリで死にはいたらしめなかった、と。

 そんなシャチくんの辛い気持ち、

立場を理解して氷川先生は

今回も熱く「シャチさん」の命乞いをします。



「シャチくんの命は僕が預かります。僕がもらう。

 君の命も人生も僕のものだよ。どこか遠いところで暮らすんだよ

 それで、時々僕の前に顔をだしてね」



 そんな氷川先生の一生懸命な想いに

真鍋組の誰ももちろん逆らえず、

シャチくんは逃がされることになったんだけど、

こんな熱い氷川先生(二代目組長姐)の側で

結局シャチくん、隠密ガードしていたりしてね。