シギナヲコ オヴィスノベルズ 青樹葱 ☆
ヤンデレ鬼畜 執事 × 貧乏少年
両親の心中により発覚した多額の借金のため、
八尋(受)はさる伯爵家へ「女」として嫁ぐことになる。
屈辱を感じつつも契約を交わし、
一生飼われるための屋敷には、
八尋を「女」にするための教育係の男、江藤(攻)が待っていた。
「あなたをどこに出しても恥ずかしくない、夜伽の上手な「奥方」にして
差し上げましょう」
美貌の江藤に潜む狂気と優しさに、
戸惑いながらも惹かれていく八尋。
だが、八尋はいずれ江藤が仕える一条伯爵の「奥方」になる立場で~。
135ページの前後で作品の世界ががらっとします
(いまでも その違和感がぬぐえません)
前のページまでは、昭和初期という世界での八尋の微妙な立場=金で買われる身
からなにやら鬱屈とした淫靡な雰囲気が漂います。
一条伯爵の会社に呼びつけられ、裸にむしられ、身体検査をするシーンや
はじめて屋敷に引き取られ、江藤によって褥での「レッスン」「をほどこされるシーンなど
どれも山藍作品のような粘度を感じます。
なのに 136ページ以降、なぜか文体が砕けていきます。
それは、八尋のこの生活への慣れもあるでしょうが、
江藤と同じく、伯爵に仕える秘書「藤崎」という男の話し方にもあるでしょう。
とにかくくだけた話し方でそれに引きずられるように八尋も江藤もどんどんくだけた話し方になっていきます。
(それまでの江藤と八尋の閉鎖的で淫靡な空気がそがれるような気がします)
後半にでてくる藤崎に覗かせ八尋を精神的にいたぶるシーン、
八尋に藤崎のアレを強要しながらのお尻攻めなどのなどのHシーンに登場のキャラとして
江藤と親しい藤崎の存在は必要なのだろうが
別に藤崎というキャラを作らなくても、伯爵でも良かったのではないでしょうか
(というか、一条伯爵どうなった~
最初、出会ったときの八尋のお尻に指入れての羞恥身体検査、射精のお手伝い意外登場してこない
もっとボスキャラ的あて馬だと思ってたのに 意外にフェイドアウトでした)
それにしても攻の江藤のかなり屈折した性格、もはや最強かと思われましたが、
最後の最後にあかされる真実、
伯爵の庶子で、義理の母との性的暴行など
屈折するにたるいろんな過去があったのね~
歴史ものの粘着的な空気感、作品感が好きで
前半、楽しんで読んでいたのだが、
途中1/3以降のライトな空気感が非常に残念です
全体的なお話の構成はドラマチックでお耽美なんですが
藤崎のキャラ、伯爵の起用方法など あったのではないかと思います