かわい有美子 B-BOYノベルズ 南田チュン ☆☆☆☆

老舗旅館の若旦那×老舗文具屋若旦那

前作「いとし、いとしという心」の主人公二人の高校生時代の心の迷路時代と、前作の続きです

今回は攻である千秋の心情メインで描かれています


屈指の名旅館の跡継ぎである兄の陰で、差別されひろち鬱積した思いを抱いていた千秋(攻)。

彼にとって、素直で愛らしい隣家の幼馴染・侑央(ゆきひろ 受)だけが心の支えだった。

ただ1点、その執愛の相手、ゆきひろの恋焦がれる相手が自分の兄でさえいなかえれば・・・。

 ある日、千秋はそんな鬱積した己の妬心を兄とよく似た声でゆきひろに甘くそそのかす。

「目え 閉じとき。 そしたら兄貴としてるみたいやろ?」・・・。


今回もかなり萌える京都弁です(笑)

女の人の京都 花街言葉も艶気があるけど

男衆、旦那衆の京言葉も色艶ありますよね。 ふう~

前作は、千秋ってなんて腹黒くて計算高くって 幼いころから独り占めにしたいと考えていたゆきひろを手に入れるためにあの手、この手で

「なんてっ 鬼畜!!」って萌えてましたけど(笑)

 今回はなんでこんなに千秋は鬼畜になったの?の謎解き編?!

ホルモン過多でゆきひろちゃんのこと好きすぎて いろいろイタしたい気持ちの暴走が可愛く感じました。

・・・それに、少し千秋くんが可愛そうになりました

おうちでもひとりぼっちみたいで、ただ一人の理解者、自分の宝物みたいな幼馴染がよりにもよって

自分の決してかなうことのない実兄に心を寄せている それをただ側で指をくわえてじっーと見ているしかない

「兄は僕からたった一つの希望まで奪うのか(心の叫び 勝手に私が代弁)」

今回の高校生編は千秋心情が多数あったこともあり

前作の鬼畜千秋に比べて、不器用でちょっとか弱い千秋にキュンってしました。


また 後半の前作続きも 千秋に降って沸く結婚話にやきもきするゆきひろや

(ネタバレですが)

それさえも ゆきひろにもっと自分を意識させ、やきもちやかせて

自分を恋人として認めさせるための決定打として積極的に利用する千秋の腹黒さはあいかわらずですが

おかげで まんまと千秋の術中にはめられ

千秋への恋を認め、共に生きている覚悟を決めます。


あとがきでは作者さんは

それでも ゆきひろは絡め捕らえられているようで、実はそれなりにこちらから絡め獲ている=清純ながら

天然毒婦な方と記述がありますが

んっ~ そうなると相当 深いな~

千秋の計算高さを超えてるな~ 天然でそれをやっちゅんだからな

そんな深読みの2度読みもおもしろそうですね