かわい有美子 ビーボーイノベルズ 立石涼 ☆☆


義理兄(マフィア組織暗殺部隊員) × 義理弟(学生→弁護士)

両親を失い、施設で育てられた史貴(受)は妹と、

同じく施設育ちのアレックス(攻)と一緒にマフィアの帝王・ハーベイに引き取られる。

ハーベイの実子・イェインと共に成長していく中、史貴は寡黙だが頼れる兄的存在のアレックスにほのかな想いを抱くようになっていた。

 しかし、イェインの妹への歪んだ欲望のはけ口が史貴へと向けられ、その秘密をアレックスに知られてしまい…。


この作品はだいぶ以前に同作家のかわい有美子先生が別タイトル「MIKADO―帝―」として商業的に発表していたものを大幅改稿して再登場させたものらしいです。

(しかし、以前の記録が残っていないので比べようがないのですが 話に聞く限り 納得のいかない結末のようでした

 今作は・・・。


もうBLライトノベルというジャンルを超越してますね

構成、展開 人物、背景 =映像が浮かんできて 

これは映画化できるのではないか と ほくそでんでしまいました

それに 、これくらいの描写だったら柴田よしき先生も書いてらっしゃるし

うん、 角川書店さんだったらどんとこいでハードカバー エンターテイメント小説のくくりで出版→映画化してくれそうですよね。

~ここから ネタバレ~


しかし、痛い、恐い、攻×受のラブラブ、いちゃいちゃでなきゃ嫌!っという読者さまにはかな~り厳しい作品になると思います 

まず 主人公の受、史貴が可愛そう

受のことが好きすぎて、いろんな人にいろいろされちゃう執着愛のいきすぎっだったら

救われるのに、義理の2番目の兄 イェインも敵対組織のボスも妹の代わりのレイプ

そのために自己価値を見出せず、いつでも妹のおまけという卑屈な気持ちになってつねに自分押さえる控えめな性格になってしまいます。

 そして、主人公をはじめとしていろんな人が痛い目に合います

妹の輪姦事件、史貴自身の義理次兄からのレイプ、

極めつけは、下巻しょっぱなの敵対組織への拉致、刺青入れ、輪姦 それをポルノビデオで公表という

救いようのない痛い 辛い話が続きます。

 実際 下巻中盤までは史貴が可愛そすぎて 読むのがつらかったです

ひそかに想い続ける義理の長兄、アレックスの愛のおかげで自分に自身を持てることができ

最後は密やかながらもアレックスと静かに暮らせるらしい未来にやっと安眠できそうです(笑)


それに 立石涼さんの絵 やっぱり好きだ~