(木夏)田 エダ 尤利 ユウリ  シャイノベルス 蓮川 愛 ☆☆


財閥系次男×吉原男遊女

時は明治

仕事相手に無理やりつれていかれた吉原で南条貴師(攻)は4年前に自分の前から姿を消した少年と再会する

しかし、彼はいまや吉原ただ一人の男遊女、華嵐(受)だった!!

あくまで遊女として接しようとする華嵐に父を遊女との心中でなくし、激しく憎む南条だったが・・・。

華嵐をほかの男に抱かれる姿を思うと、自分でも抑えることのできない激情に駆られる。

ならばいっそ自分の手で・・・華嵐の水揚げを決意する南条だったが・・・。


よくある設定なのですが 書き出しのドラマチックさ、主役の二人に絡む登場人物たちのいきいきとしたセリフ回しなどがよく出来ていて良いお芝居の台本をよんでいるようなこちらをぐいっと引きこむ物語でした。

エロさは前半のほうが濃いですが(なんといっても華嵐を遊女に仕込む南条のいじわるなくらいの言葉攻めなど

自分を昔のように信頼してみてくれない華嵐への恨みもあっていじめプレイをします

華嵐に触れる絵師の弥呂九に嫉妬して弥呂九の前で華嵐とHをはじめたりなどHシーンが登場します。

 後半は先輩お職の足抜け事件をきっかけとしてお互いの気持ちを通じ合わせて結ばれるのですが、その後

華嵐の貴師のために身を引こうとしたり、男の矜持で身請けはされたくないという発言などでお互いがすれ違ったりH度は低めですが吉原遊女の悲しい生き様、それでも皆懸命に生きる誇り高さなど物語を深くほりさげ、吉原に生きる人々の様をいきいきと描いていてBLライトノベルスにのみ着地しないストーリーのエンディングでした。

・・・といってももちろん最後は貴師に身請け(給料の前払い?!)してもらいハッピーエンドになっているので安心しました。(笑)