議員秘書になりたいという変わった希望を持つ方は一定数いるようです。

 

そもそもなぜ議員秘書になりたいのか、議員秘書だった私が言うのもなんですが理解し難いキャリア志向だと思います。

 

しかし永田町の議員会館で秘書をしていると、ながーい自己PRのお手紙付きの履歴書を受け取ることは時々あります。

 

不思議なことに後援者や支援していただく企業様から預かることはあまり無いんですよね。

 

後援会の方は議員秘書がどんな悲惨な待遇を受けているかよくご存じなので、自分の周りの人を推薦されることはないんだろうなと勝手に思っています。

 

国会議員とお付き合いを上手にされる企業様は、もうその企業の方が社会の上澄みの住人ですから、やはり自分たちの周りの人に勧められる職業ではないことをよくわかってらっしゃいます。よって企業様からご紹介を受けることもほぼ無いです。

 

後援会の方も献金やパーティ券を購入してくださる企業様も、用事があるのは「現役の国会議員」であってその周りの秘書は要じゃないんですよね。

 

国会議員に用事がある方は沢山います。用事といっても何回も行われる役所のレクやご挨拶、陳情や派閥の噂話、今年だと参議院選挙のよもやまなど様々です。

 

無駄が多すぎてい忙しい国会議員のスケジュールを管理するのは秘書なので、仕方がなくその秘書に皆さん頭を下げるんですよね。「実ほど頭を垂れる稲穂かな」は官僚や民間の方ばかりです。

 

秘書に丁寧に対応してくれるのは、その後ろにいる「国会議員の心象をよくするため」なんですが、それを何か勘違いしている秘書さんて多すぎますね。

 

年末年始は日本を代表する企業の社長や会長が議員会館をぞろぞろ歩いてますから、秘書も議員へ取次の交通整理で忙しいこともあります。でも社長が用事があるのは秘書ではないんで。単なる取次係ですから。

 

誰にでも代わりがいる下っ端の秘書のお仕事は、世間的にきちんとした方からの推薦はほとんどないという事実を今日は記しておきます。

 

ちなみに自分から売り込みをかけてくる長い自己PRの内容は、ほとんどそれ自体が事故です。まあちゃんと民間で仕事ができる人なら、永田町の議員秘書にこだわることはないと思うんで、そんなユニークな履歴書を送ってきてしまうんだろうなとは理解できます。