thinking&emotion

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ココロニウツリユクヨシナシゴト

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雪の予報は外れたみたい。


明け方、まだ暗い窓の外に雨の降る音をきいて
逆らうことなく、もう一度眠りに堕ちる。



そして、短い夢を見た。



そこが何処なのか、他に誰がいたのか
夢らしくあまりにも曖昧で、目が覚めた今は
もう思い出せないけれど。


はじまりは何故か、何かの終わりにそこにいた全員で写真に納まった。

「ハイ、お疲れ様でした。」

カメラから顔を上げた誰かの声がして気付く。


頬が触れそうな隣には、あなたがいた。


「ラッキーじゃん。」

いつもの眼鏡越しにちょっと笑って

あたしがあなたのことを好きで好きで
その同じ場所にいられることに舞い上がっているのを

見透かしてそう言われたような一言。



こんな風に、あなたの夢を見たのはこれで2度目だ。



1年と少し前、冬の寒さを独りの夜でも過ごせるように
新しい毛布を買った日

なんの願望と錯覚があなたのかたちになったのか
感触だけがリアルな夢を見た。


「寒いから、もう少しこのままでいて。」


聴き慣れた、でも初めて聴いたその声は
現実ではないことなどどうでもいいと思えたし
耳に残る幻だけで、それはもう十分幸せな余韻だった。



アラームに遮られた今日の夢もその朝と同じ。

目が覚めても、固まったままのカラダと
おさまらない鼓動を残した。



別に、夢に意味なんて求めたいわけじゃない。

夢のような出来事を望んでいるというわけでも今はない。


じゃあ・・・?

相変わらず上手く整理のつかないあたしの思考と感情を
文字にしてみたら、少しはいろいろ
見えてくるものもあるんじゃないかと思ったけれど

そんなに簡単
にはいかないみたいだ。



金曜日、1年以上ぶりに変えてみた
PCの壁紙。

今朝、
「これって、オザケン?」

背後から声を掛けてきた同僚さんは
「帰ったら久しぶりに聴いてみます。」
って、仕事に戻っていった。


久しぶりに、だよね。

あたしだって、この夏
あなたが突然はまってしまうまでは
あんなに大好きだったことも
ちょっと忘れてしまうくらい
随分と長い間聴かずにいたけれど。


日曜日、あなたが置いて帰った
「我ら、時」は、なんだか
タイムカプセルみたいだと思う。

もちろんそこには
今年の小沢くんもいるのだから
それとはちょっと違うのかも知れないんだけれど。

でも、痕がつかないようにって
そっと開いた和紙のページには
とてもとても懐かしい言葉たちが並んでいて
学校の教室とか、駅ビルの中の本屋さんとかで
薄っぺらな雑誌のページをめくっていた
制服を着たあたしも、そこにいるみたいだった。

考えていたことも、悩んでいたことも
傷ついていたことも
今思えば、恥ずかしくなるくらい
他愛もないことで
でも、いつだって先ばかり急いでいたあたしは
今も結局、その頃にたどり着こうとしていた場所には
これっぽっちも近づけていないんじゃないかって
いつかのあたしが見たら、がっかりするんだろうなぁなんて
そんなことも思ったり。


だけど、それでも
昔は使えなかった言葉とか
伝えることができなかった気持ちとか
今はちゃんと言えるようになったこともあって。

あなたは「そんなところだけ子どもみたいだ。」って笑ったけれど
本当に子どもだった頃も
ほんの少し前だって「さみしい。」なんて
絶対に言えなかったんだよね。

だから、あぁちょっとだけ
一応は成長してるのかって
ちゃんと前には進めているのかもって
小沢くんの文章とは全く別に
いろいろ考えてみたりした。


思い出とか、記憶とか、過去とかって
それらは別に”イコール”で結ばれているものではないんだけれど
でも、どこかで絡まるみたいにつながっていて
そのうえ、どれとどれが繋がっているのかとか
引っ張ってみないとわからない感じになっている気がする。

だから、ちょっと自分ではコントロールなんてできなくて
やっかいだなぁって思う。


それこそタイムカプセルに詰め込んで
何処かの土の中に埋めるなんてことができて
さっぱり忘れてしまうことができたら便利だろうなぁって
そんな都合のいいことを考えたりなんかして。

もちろん、いつも近くに置いておいて
自分の好きなときに思い出したりしたいものだって
いっぱいあるんだけど。

で、やっぱりそんな厄介なものたちに振り回されてしまうのは悔しいし
なんか、所謂後悔というヤツには負けたくないなって
小沢くんの言葉たちにつられて現れた昔の自分と話してみて思った。

「あの時、なんでこうしなかったんだろう。」とか
「あぁ、あの時こうしておけばよかった。」とか
「あんなことをしてた自分が、今はどうなんだろう・・・」
みたいな、いつかの自分に今の自分が囚われてしまうのって
そんなの過ごしてきた時間すら無駄になってしまうんじゃないかと。

そんなのって、あまりに勿体無い。

それに、そんなのって今の自分にも今までの自分にも
あたしにそんな後悔をくれた誰かや出来事にも
すごく失礼だよねって思ったんだけど。

午後からずっと降り続いていた雨のせいとか
いつもなら月曜日の朝まで一緒にいられるあなたがいないせいとか
それだけじゃなくて
あたしがちゃんと考えて決めたはずのことに
ちょっと不安になってしまっていたりしたから
久しぶりの小沢くんの言葉たちに会えてよかった。


「お気に召すまま」


あたしがそうしたいと思ってえらんだものは
やっぱり間違ってないって
ほんの少し気にしかけた他人の視線なんて
気にするだけバカみたいって
相変わらず、あの頃と同じにぽんと背中を押してもらった気分になったよ。


買ったのはあなたなのに、先に読ませてくれて
ありがと。


以上、感想文でした☆




163日ぶりにシカオさんに逢えた。

シカオさんの声も、言葉も
ギターの音も
笑った顔も
サングラス越しに細めた目も
iPadに触れる神経質そうな指も
ちょっと猫背な歩き方も

全部ぜんぶ、ずっと覚えていられたらいいのにって思う。



「なんか、身につまされるよね。

こうなると、思ってたんだよなぁ・・・
これ作ったときにね。」



シカオさん。
あなたは、出逢ったときからいつだって

「俺も、そこから這い上がれたからさぁ。」

って、私のちょっと先で振り向いてくれる人です。


いつかどこかで
そんな機会にめぐりあえたら
「ありがとう。」って言えたらいいのに。


シカオさんの歩くその道の先で。