それは初めて経験する、闇の世界への入り口だった。

ただ真っ暗な空間が、底知れなく深く、果てしなく遠く、続いていた。

そして寒かった。思わず、震える自分の体を両腕でさすった。


 夢へ、未来へ、前へ前へとゆっくり歩き続ける自分をずっと

支えてきてくれた大きな存在が、消えてしまった。突然に。

そしてもしかしたら、永遠に。


 悲しみと、後悔と、不安と、孤独感が、波になって何度も私を襲った。

そのたびに胸が苦しくなり、激しい鼓動が聞こえた。生きることへの恐怖感を

味わったのは生まれて初めてだった。


 私は必至で耐えた。流されたら終わりだった。限界がすぐ近くに見えていた。

吐き気がした。でも、このまま今まで信じてきたものが流されてしまうのは

どうしてもいやだった。どうしても。どうしても…。





 今私が出せる答えは1つしかない。

「共存」すること。


 深い悲しみと、時々押し寄せる胸の痛みとを受け入れ、ともに生きていくことだ。

もう元きた道を戻っても、そこには誰もいないのだ。懐かしい景色があるだけで。


 一緒に生きていこう。

泣きながら。

自分を涙で洗い流して、どんどんきれいになって。

前に進もう。