日本で「コーチング」という名称の正規の授業を始めたのは、私の勤務する立命館大学大学院の経営管理研究科が日本で最初です。
2008年に客員教授の中島克紀先生が始め、中島氏の後に私が引き継いで、私が2011年からコーチングの授業を受け持っています。
私の担当しているコーチングは、あくまでビジネスコーチングであってパーソナルコーチングだけではありません。
私は、1997年に国際アセスメント・教育研修機関GAPI社(14ヵ国、本部オランダ)の佐藤幸一氏より「コーチング&フィードバック」を学び資格を得たのが最初のコーチングの学びでした。
このプログラムは製薬会社のMRを中心にした社内におけるビジネスコーチングで、コーチ21、ICF(国際コーチ連盟)のパーソナル(契約)・コーチングとは異なるもので、職場で上司が部下を開発育成するためのコーチングでした。
いわゆる最近流行っているコーチングの定義は、「コーチは指示したり教えたりしない。質問をしながら相手の可能性を引き出す」的なものが主だと思います。
日本で広がったコーチングは、ICF(国際コーチ連盟)系が主流で、ここは基本的にティーチングは行わないパーソナル・コーチング、つまり契約コーチが行うコーチング用のものです。当然、ビジネスに応用はできるのですが、職業としての業務同意、契約前提の契約コーチのニュアンスが強いものです、
私のコーチングの定義は以前働いていた株式会社ヒューマックスのコンサルタントたちでさんざん議論してビジネスにおけるコーチングの定義を考えました。
それは、
「コーチングとは、対象者のパフォーマンスを高める為のコミュニケーションによる支援」
というものです。それは、当然教えることも含みます。
GAPI社のコーチング&フィードバックのプログラムをベースにして、
1.情報を与える
2.指示法
3.教える
4.助言法
5.モデリング法
6.与える(Give)フィードバック
7.引き出す(Get)フィードバック
8.引き出す(Get)フィードフォアード
この8つのスキルを使うもので、パーソナル・コーチングとはかなり違います。
(続く)