熊本で大地震で、多くの被災者がつらい状況に置かれています。避難所や車の中、自宅にいても電気ガス水道などライフラインが止まっていたり。
震度の大きな余震はいまだに続いて、不安な日々を送っていることでしょう。
早く地震が治まり、少しでも早い復興を願っています。
状況が落ち着いてくると、東日本大震災のときのように「心のケア」が大事だとメディアで語られるようになるかも知れません。
さて、東日本大震災のときの同胞の困難な状況を目にし、私も「自分にできることはないだろうか?」と考えました。メンタルヘルスやストレスマネジメントの専門家として。
しかし、色々考えた末ですが、結局、寄付などの金銭的支援などを行ないました。
今でも日本赤十字社に毎月寄付を継続しています。
私の周りには心理の専門家やカウンセラーなどが多くいるのですが、彼らの中には「心のケア」のボランティアのため被災地に行った方もいます。
しかし、「WEDGE」という雑誌の2012年3月号で興味深い記事が掲載されました。
被災者は、「心のケア」でイメージされるような一律の「カウンセリング」を求めていないということです。
ある避難所では、次々と訪れる「心のケア」チームに辟易して、「心のケアお断り」を宣告したという話まで聞きました。
日本ではもともとカウンセリングを受けるという習慣があまり定着していないですし、どこの誰とも分からない人に悩みや不安を聞いてもらいたいとは思わないでしょう。
同様に、千羽鶴や応援メッセージの寄せ書きは、優先順位は低く、それどころか迷惑だという声さえあります。
それよりも現実的な問題解決の支援が優先でしょう。
ストレス対策の大切な最初のステップは、ストレッサー(ストレス因)を取り除いたり減少させること、そして健康的な生活習慣です。
身体的健康のケア、そして生活環境(衣食住)や仕事、コミュニティ、生活習慣などを改善、整備していくことが大事なのです。