兄は仏間に寝かされていた。棺に収められていたが顔が見える様に窓は開けられていた。
色白な兄の肌がさらに白く感じたが、冷たくなった兄を見ても恐怖感はなかった。ただ、ほほを撫でながら泣いた。綺麗な顔だな。。
お兄ちゃん、私たちすごく仲よかったよね。歳の離れた兄が車で迎えに来てくれるのは、中学生の私にはすごく自慢だったよ。
悩み事があったら相談してほしかったな。
両親を誰よりも気遣う人が、なんでこんなに悲しませることしたの?
疑問や質問が、頭に中に次々浮かんで来た。
どうか、旅立つ前に夢にでも出てきてほしい。
何が苦しかったか教えてほしい。全然理解できない。
まだ兄の魂は近くにいる気がして、私は目の前に兄に念を送り続けた。