英国領バミューダの中に米国があった。 | ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog

英国領バミューダの中に米国があった。

 バミューダは英国領です。しかしながら、バミューダの通貨は「イギリス・ポンド」でも「ユーロ」でもなく、「バミューダ・ドル」でした。でも、この「バミューダ・ドル」のお札には、イギリスのエリザベス女王が描かれていました。「バミューダ・ドル」と米ドルの為替レートは常に一対一です。要するに、バミューダのお金とアメリカのお金は等価値で、どちらを使ってもいいのです。ですから、バミューダのお金で買い物をしたら米ドルでお釣りがきたり、手持ちのバミューダ・ドルがなくなったら米ドルで払ったりということが可能なのです。バミューダは政治的にはイギリス領ですが、経済的にはアメリカの影響が大きいのでしょう。

 バミューダを出国する日、バミューダの中にアメリカがあることに気づかされました。バミューダからアメリカへ出国する人は、バミューダ空港の中で、アメリカの入国審査と税関審査を行うのです。そこを抜けると、まだ自分はバミューダの空港にいるのに、既にアメリカに入国したことになってしまうのです。これは何とも不思議なことです。

 バミューダ滞在中に読んだ地元紙に、バミューダの独立を模索しているある政治家の発言が載っていました。「バミューダには民主的に選ばれたバミューダ政府があるのに、その政府が決めたことに、いちいちイギリスの承認を得なければならないなんて、我々はまるでミッキー・マウスだ」とありました。「我々はまるでミッキー・マウス」だというところは、イマイチよく意味が分かりませんが、まあいいたいことは何となく分かります。バミューダの人口は約6万5千人と聞きました。果たして、バミューダの独立が実現する日は来るんでしょうか。ということで、バミューダ見聞録はこれで終わりにします。アメリカからは近いので、またいつか行くこともあるかもしれません。