オバマ大統領の前回の就任式は、おそらく、アメリカ史上、歴史に残る就任式だったと思います。
なぜなら、黒人初の大統領の誕生だったからです。
というわけで、今回は2回目だったので、歴史上・・・はともかく・・・個人的感想を。
正直、前回の初めての就任式の時は、ただ単純に「おお。すごい。ついに黒人大統領が誕生か~~」と、さらっと、思っただけでした。ww
でも、今回、アメリカに来て早3年がたとうとし、その間、少しながら、アメリカのことをお勉強したのと、実際に現地を見に行ったりしたことが幸い(?)したのか、今回の就任式の間は、いろいろなことを考えていました。
(その3)で触れた、就任演説の最中に、私の気をそらした画像とは、演説する大統領を背後からとらえたもので、大統領の真正面に、ワシントンモニュメント、そして、その背後にリンカーンメモリアルがはるか遠くに見えるというショットです。(その1の観光案内を思い出してね♪)
このリンカーンメモリアルの中に、名前のとおり、リンカーン大統領の銅像が、ちょうど、今、演説しているオバマ君の真正面で、まるで演説を聞いているかのように鋭い視線で、座っているのです。
リンカーン大統領は、「(黒人)奴隷解放の父」と呼ばれる偉人で、1862年のこの人の「奴隷解放宣言」で、黒人は「奴隷」から「人間」になり、その約100年後、黒人は市民権を獲得し、更にその約50年後、黒人の大統領が生まれるまでにつながります。
リンカーンメモリアルは、もうひとつ。
リンカーン大統領の足元で、振り返ると、ちょうど、正面にワシントンモニュメント、そしてその背後に国会議事堂がはるか遠くに見えます。
今、オバマ大統領の演説している場所の、まさに真正面、ワシントンモニュメントを挟んで対岸の位置です。
ここで、今から約50年前、マーティン・ルーサー・キング牧師が、約20万人の聴衆を前に、黒人の市民権獲得を目指した演説を行ったのです。
有名な「私には夢がある」演説です。
実は、私は、ワシントンDCに見学に行った際、このリンカーンメモリアルのまさにキング牧師が立った場所からの光景が、一番印象に残りました。
ここから、集まっている大勢の支持者を見たキング牧師は、ものすごく感動しただろうな~。ものすごく勇気づけられただろうな~。ものすごく活力を得られただろうな~。と、思ったのです。
なので、(その3)で触れた、オバマ大統領が振り返ったシーンも、勝手な想像ですが、「最後だな」と思って、振り返ったのではなく、自分のために集まった60万人の支持者を見て、今一度感動し、勇気・活力を得たかったんだと思ったんですよね~~。
まぁ、真相は本人にしか、わかりませんが・・・・。
余談ですが、今回の就任式が行われた1月21日は、そのキング牧師を記念するアメリカのナショナルホリデーでした。
キング牧師の演説から、わずか50年足らずの短い期間で、黒人が白人と同等の権利を獲得し、一人の黒人がアメリカの頂点に立ち、その彼を、黒人・白人を含むいろいろな人種の人が、「ぴゅーぴゅー!」と、口笛を吹きながら、大歓声で見ているって、なんだか・・とっても、すごいことに思えたのです。
もちろん、どこの社会でも同じで、「じゃぁ、今は何も問題ないの?」と言うと、必ずしも答えはYESではないのですが、たった50年で、ここまで変われる社会ってすごい!と、素直に感心しました。
さて。こうして、オバマ大統領が、2期目の第一歩を踏み出した一方で、私のアメリカ生活は、いよいよ、終盤の終盤を迎えようとしています。(大統領と自分を並べるあたり、相当ずうずうしい。)
3月の下旬に帰国します。なので、今から、お引っ越しの準備やら、何やらをせっせとはじめなくては!!!!
きりりっ!!さっさと風邪をなおして、がんばらねばっ!!!