厚労省の研究報告で

「里親養育における親子関係調整及び 家族再統合支援のあり方に関する調査研究」

という題を見つけた

 

里親制度の目的というと

何らかの事情で家庭での養育が難しくなった子どもに

家庭の環境での養育を提供して

子どもの健全な養育を図ることを目的とした

「子どものための」制度っていうイメージだったけど

 

「親子関係の調整」 「家族再統合支援」 っていうことも

里親制度の目的だったの?といささか驚いた

 

この研究報告は

「里親委託が進めば、例えば、虐待を受けてる子など親から(一時的に)離して

親子関係の調整を行うことで再び家族としてうまくいく事例が増えるに違いない」

という考えのもと

 

「とはいっても家族が分離した状態では再び家族としてやっていくのは難しいのではないか」とし

 

里親委託で家族が再びうまくいく目標をAからCまで3つ設定して

A:親の養育行動と親子関係の改善を図り、家庭に復帰する

B:家庭復帰が困難な場合は、一定の距離をとった交流を続けながら、納得しお互いを受け入れ認めあう親子関係を構築する

C:現実の親子の交流が望ましくない場合あるいは親子の交流がない場合は、生い立ちや親との関係の心の整理をしつつ、永続的な養育の場の提供を行う

 

この「(うまくいった)A」 になった状況をいろいろ調べることで

「親子関係の調整や家族が再びうまくいくためのコツがわかるのではないか」

ということで行われているようだった

 

厚労省だし

普段からこうした現場にいる方々や先生がかかわっていることだし

権威あるものなんだろうけど

 

最初の目的だけで違和感がいっぱいになってしまった

 

そもそも里親制度をつくってまで

家庭養育しようっていうのは

一般的な目的にあるように

子ども一人一人の健全な育成なんじゃないのかな

 

実の親家庭といってるわけじゃない

ただ里親制度自体永続的なものではない

一時的(それがつながって継続的)な支援

 

けど実の親家庭に戻ることが目的でも

その子の健全な育成につながるわけじゃないよね

 

確かに

一時的に距離を取って

親子関係の調整することも家族としてもう一回やり直せないか

ケアすることはとても大切なことだと思う

 

親子の調整をどう支援するか

もう一度やり直し始めたヨチヨチ歩きの家族を

どう支えていくかとかは本当に大切なことだと思う

 

けどこのAからCの目標って段階ではない気がしてしまう

Bのお互い受け入れ認め合う親子関係って

そこの家庭でもいくつになってもなかなかできることじゃない

Cの生い立ちや親との関係の心を整理することなんて

大人になってもそうそうできることじゃない

全部独立していることだし里親制度だけにかかわることでもない

 

このAからCって

A:一緒に住んでいる

B:あったり話したりできるけど一緒には住めない

C:会うことも話すこともできない

ってことを示してるんじゃないだろうか

 

また一緒に住めることがうまくいった一番いい状態

里親委託しながらそこに行くためのコツは何だろうか

ってことを明らかにしようとしてる

 

これって見た目じゃない?

「この子」の健全な成長は?

それがわかるような目安が目標じゃないの?

 

一時的だからこそ

親子関係の調査が入る余地があるからこそ

もう一度家族でやりなおせる力が残ってるからこその

親子関係の調整であり

家族の再構築の支援じゃないのかな

 

もちろん里親だけではなく

児童相談所や地域など

ケースワーカーなどの専門職から

どういった支援がということも書かれてはいたのだけれど

 

子どもの様子を中心においた目安っていうのかな

外から見て治まっていることではなく

内からの目線を大事にした

わかりにくさを大事にする視点があればなあって感じるんだよね