ウオッカ
名牝の領域を超えた名馬ウオッカ。今回のJCではどうなのだろうか。
まずは、天皇賞での敗戦をどう見るのかが難しいところである。
直線では足が止まったようにも見え、カンパニーには完敗、スクリーンヒーローにも競り負けての3着。
かげりが見えてきたのか、それともダービー、天皇賞を勝ったウオッカだが、本質はマイラーではないのか。
昨年のJCでも折り合いに苦労し、最後は息切れした感もあり、天皇賞より距離が延びるJCでは、ウオッカにとって今回も厳しいレースになると見る者も少なくない。
では、ウオッカに勝算はないのか。
『天からの授かり物』と言われた程の馬。そうではないと願いたいところである。
もう少し前走の天皇賞を振り返ってみよう。
レース自体は、スローペースで上がりの競馬。
このような場合、先行勢、もしくは直線で各馬スパートする時点で、うまく前方に位置取りを上げた馬が有利であり、スローペースのため各馬余力があることから、後方から前を捕まえるのは厳しいレースとなる。
このようなレース展開の中、最近のウオッカにしては珍しい、後方寄りの位置取り。
いつもどおり良いスタートを切ったが、なぜか後方に下げたような騎乗で、ペースが速くなると見て下げたのではないかと言われている。
結果的にはいつも通り先行した方が有利なレース展開ではあったが、勝ったカンパニーの直後でうまく流れに乗っていたと言え、勝ちきれない程の位置取りではなかったといえる。
ポイントは直線でうまく前方に押し出せたカンパニーに対し、ウオッカは抜け出すのに苦労したため、先に抜け出したカンパニー、そして先行し前の位置でスパートしたスクリーンヒーローを捕え切れなったという競馬であった。
一見、最後足が止まったように見えたウオッカだが、カンパニーと同じ上がり32秒9をマークしており、前2頭を交わすとなると、これ以上の上がりで走るということになる。
抜け出す時が突き抜けるかのようであったが、これはなかなか抜け出せず足が溜められた分であって、レース自体が前を捕えるには厳しい流れで、余力のある、前の2頭を差し切るというのは非常に酷であり、単に足が止まった、距離が長い、ということでもないと見ていい。
3歳時のウオッカは後方寄りでじっくりと足を溜め、決め手を生かすレースをしていたが、古馬となってからはスピード生かした先行するレースをしていることから、今のウオッカには2400mの距離は長いと言える。
しかし、結果的にスローペースの天皇賞で後方からの位置でレースを運べたことが、距離が延びるJCではプラスになると考えられる。また、今回はリーチザクラウンが逃げることが予想され、極端なスローペースになるとは考えられず、ウオッカにとってレースはしやすいはずである。