警視総監や法務大臣を務めた、秦野章『逆境に克つ ~「一日生涯」わが人生~』(88年/講談社)、帯付きをブックオフで発見したのでまた購入してしまった。



戦後、山口組加入前の「国際ギャング団」時代のボンノこと菅谷政雄を逮捕した記述もある一冊。




インパクトが強すぎて泣く子も黙る点描画の表紙も◎。神棚に飾りたいほど。




帯付きってだけでも購入を決断させたのに、表紙をめくればなんと署名入り。嬉しさのあまりその場でコサックダンスを踊る。






「秦野君、君を男と見込んでの頼みなんだが、どうだろう、ひとつ刑事課長をやってもらえないだろうか」と、当時経済保安課長の立場だった秦野章が兵庫県警の警察部長に頼まれたときのひと言。

経済保安課長は刑事課長よりも格が上と見られていた。

いわば役職降格のようなもの。

「男と見込んで」・・・・・・こう言われては断われない魔法の言葉で刑事課長に就任、そして同時にそのまま経済保安課長も兼任することに。



「あんたなら仲間のだれが拳銃を持っているかわかるはずだ。あんたを男と見込んでの頼みなんだが、ひとつ、拳銃を集めてきてもらいたいんだ」。

神戸の在日朝鮮人のボス的男にこう協力を求めた秦野章。



これ、上司に言われた魔法の言葉を思い出して犯罪捜査に活用したというワケでなく、普通にこのような記述があったことから、余程「男と見込んで」の言葉がお気に召したのだろう。