あなたを主役にして、その人生を一つの物語にまとめたとすると、登場人物は何人いるでしょうか?
多くの人は会社に勤めて数人から数十人の部署で日々人と顔を合わせ、親や兄弟、親戚、友人、行きつけの飲み屋、習い事の先生やご近所さん、私の年齢(45歳)だと子供が既に成人して孫までいる方もいらっしゃるでしょう。
検索してみると、準主役やエキストラクラスの人を合わせて人生80年換算で一般的にはおおよそ3万人と言われている様です。
私のように何年間も人との出会いが皆無で、会社勤めもしておらず、誰一人として言葉を交わすことのない日々がとても長く続くと、ちょっとでもコミュニケーションをとった人、少しでも目が合った様な気がした人全員が重要人物に格上げになり、不思議と天使の様にも見え始めます。
自分を認識してくれた数少ない貴重な貴方に心から感謝。と言ったところです。
今、白い事務机を挟んで目の前にいる役所の白髪のおじさんが、私の人生の遍歴、持病、資産(資産などないですが)、生い立ちや親兄弟のこと、現在の生活状況を「そうですか、それは大変でしたね」と、既に1時間以上も、こと細やかに聞いてくれています。
質問に答え難い、あまり思い出したくないような事も多々ありましたが、当時の状況や心境をできる限り洗いざらい伝えました。
「じゃあ、身分証のコピーもらいますね」とか「ちょっと失礼しますね」と、私に伝えて席を立つたびに、タバコの香りを纏って戻ってくるそのおじさんは、私には天使以外の何者でもない存在なのでした。
これで、この世で私の生きた記録は確かに残された。もうこれ以上は何も求めまい。。。
そんな事をぼんやり考えながらおじさん天使からの様々な角度からの質問に答え、かれこれ1時間半くらいが経過したでしょうか。
「では、生活保護の申請に入りますね」
「あ、、、えっ?・・・あ、はい!シンセイお願いします!」
聞き間違えじゃないよな・・・?
あぁ、そうですか!
申請・・・!シンセイですよね・・・?
私は生活保護の申請ができるのですか!
当たり前の話ですが、“申請“という事はこれから生活保護の申請書を書いて提出する。
という事です。
事前にネットで得た知識によると、“これから申請に入る“と言う事はいわゆる水際作戦(水際対策)等をされずに済んだ様で(※一旦保留にされたり、相談しただけで終わってしまったりと言う事もなく)、最長でも8日以内には概ね承認がおりると言う事になります。
当然ですが中には承認されずに却下されるケースもあるのでしょう。
ですが、私がこの天使のおじさんに話したこれまでの事に偽りがないと判断されれば、申請それ即ち承認という流れになるかと思います。
約1週間ほどで生活保護の承認が得られ、この時点ではいつかは存じ上げませんがその後に国から保護費が支給され、この先もこの世界で生きることが出来る。
生きるのか。あぁ、まだ生きれるのか・・・。
その後は一気に力が抜けてしまったのを覚えています。
その後しばらくして、天使のおじさんが申請書を持って席に戻られました。
意外と簡素な書類だな・・・。
とか思いながら天使の指示に従って書類を記載していきます。
ただ、書きながらふと大きな不安がよぎったのですが、今後承認がおりたとして、生活費の支給が行われるその日まで今の所持金で生き延びられるのでしょうか?
1600円ほどであと何日くらい生活すればよろしいのでしょう・・・?
1日平均100円使ってあと16日か・・・。
幸いにも水道はまだ停まらないはず。水は困らない。
先に白米を2kg。いや、玄米3kgと味噌でも買っておけば、ご飯と味噌汁で半月以上は生きられそうだ。
ただ、電気とガスは近々止められる気がするし、もし支給日が思ってるよりかなり先になったら・・・。
うん。米は1日半合にしておこう。
毎日少しでも食べれるだけありがたい。
いや、、、。
やっぱり天使に相談しようか・・・。
次回「天使に相談」へ続きます。