シグネチャー 吉祥コレクションは、漆芸の蒔絵分野では6人しかいない重要無形文化財保持者(人間国宝)の1人、室瀬氏が、自らの手で蒔絵と螺鈿を組み合わせて制作した芸術品。企画段階から1年、そして実際の制作に1年をかけて生み出された製品だ。ベースモデルは「シグネチャー(Signature)」。こちらも1台1台熟練した職人が手作りで生産しているモデルで、最も安いステンレススチールでも121万円、イエローゴールドは335万円、ホワイトゴールドは370万円、プラチナなら600万円するが、さらに側面や背面に蒔絵が施された“吉祥”シリーズは完全な1点ものであり、価格は1台2000万円になる。
つい、こないだ仕事で取材をした人間国宝の村瀬和美氏。
人間国宝というとご高齢を想像するが、見た目は若く、漆について話すその顔は嬉々に満ちていた。
数々の作品を見せて頂き、現在工房で作成している物は伊勢神宮に奉納する為に、製作中とのこと。
その流れで
「制作期間はどのくらいなのですか?」
と質問してみた。
「構想から、実制作までで5年はかかりますよ」
1つの制作物にそれだけの時間がかかる、非常に手間のかかるのが漆芸というものとのこと。
となれば、次は
「お値段はおいくらくらいなのですか?」
この質問が頭を過ぎるが、咽喉基まで出た言葉を飲み込んだ。
高いに決まっているし、値段ではないと思ったから。
その数週間後にYahooニューストップにこの記事。
2000万…。
意図せずに氏の作品の値段が分かってしまった。
しかし、先生。
いつ、1点物の携帯作る時間あるんですか???
何はともあれ、氏の作品はこんな事を言うのもおこがましいくらい素人目で見ても素晴らしく、近々個展が開かれるとのことなので
是非とも、訪れたいと思います。