僕は彼女からカミングアウトを受けた”鬱”についてはさっぱりわからなかった。四六時中塞ぎこんでいるわけではないし・・・
ただ時折自分ではコントロールできないどうにもならない状態に陥るみたいだ。彼女には、別居中の旦那のDV、姑のいじめ、それプラス思春期における実母からの虐待と複雑な要因がからんで病気にかかったみたいだった。
その時の僕は自分の力を過信していたとわかったのは彼女が僕の元を離れて10ヶ月も過ぎた今になってのことだ。僕は自分の愛情を彼女に注げばきっと彼女は治る。と心に信じて疑わなかった。それはリサとの生活が始まってから見る見る元気を取り戻していった、ように見えたから・・・
ちゃんとした旅行に行ったことがないと言っていた彼女をつれていった伊良湖ガーデンホテル。大浴場で話好きな年寄りに捕まってしまって、低温火傷を追ってしまったのをフロントに急いで氷と保湿クリームを用意させて応急手当をしたり・・・
その当時のリサの状態は極端にストレスに弱くて、初対面や、精神的は負担はご法度だった。それは普通の人とはくらべものならないほどにセンシティブでがガラスのようにもろく複雑に崩れる物だった。
特に小さい子供がいるような場所へは最新の注意を払っていた、まだ小さい三人目には引き離されて逢わせてもらえないことが彼女を苦しめていたから。小さい子供を見ると途端に落ちてしまう。
それでも、気分転換に音楽を聴きに行ったり、料理を一緒に作ったりして彼女と極力時間を共にしていたわってやっていこうとしていた。あの日のことが無ければうまくいっていたのかのように・・・