この作品を最も簡潔に過不足なく言い表せるテーマがあるとしたら「愛にできることはまだあるかい」じゃないのかなあと思う。


演出、作画、音楽、声優、キャラ、どれをとっても素晴らしく、言うことがないので感想を述べるのみにする。


ほだか君は幼くて、自分の欲望にまっすぐだ。幼さとはその人が未熟で考えが浅い、甘いことを指す。ならば、今の社会では、まずいろんな立場から自分の行動を考えて失礼がないか、その上で最も効率を出せることが成熟とでも言うのだろうか?まあこんなものは社会が作った偶像に過ぎないのだからプラスもマイナスも本来はないのだ、ただ社会が円滑に進むのが後者だってゆー話だ。しかし、私たちは個々の幸せを望みつつ、高度に分業化させた個人ではとでも制御できない便利さをもつ社会で生きている。この矛盾に私たちは向き合えない。なぜならそれは文明の後退を指すからだ。


ならば、個々の幸せを獲得するには幼くなる必要があるのか?


僕にはそうだという答えしか思いつかない。ほだかくんの行動はそういうことだ。社会の決める暗黙のルールとか法律というルールを、彼は打ち破ってみせた。そしてその行動に劇中の人もアニメを見る人も魅了する。羨ましいと思わせる。


愛にできることはまだあるかい。素晴らしい謳い文句だ。愛のためになんでもできる彼だからこそ言える言葉だ。世間体とか社会的地位とかを気にして愛は獲得できねーよ、ただほだかくんの幼さを馬鹿にしたって幸せにはなれねーよ。 


まあとにかく、欲望に素直になるというのは難しいという話だ。現実問題、彼のようにはなれない、どんどんなれなくなっていく。社会には僕の美しい欲望へのリミッターが多すぎる。


こういう感情誰しもきっとあるのではないのでしょうか?ないのかもしれない。でも、こういうことを気づかせて、考えさせてくれるアニメはとても素晴らしいと思うし、新海の熱い想いがこれでもかってくらいが伝わってきた。