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神奈川歯科大学柔道部のほ〜むぺ〜じ&ブログ☆

神奈川歯科大学柔道部のホームページ兼、ブログです! どの部活より和気あいあいとしていて、どの部活より先輩方が本当に優しいです(笑)

  先日武道稽古について思うことをを書きましたが、その続編です…

  もし武道をこれからやろうと検討されている新入生の方必見(?)です笑

  先にも書きましたが、
わりと武道経験の長い私はあることに気づいたのでそれを書きたいと思います。

  それは武道の稽古は主に3種類に分かれるということです。その3つというのは、
   ①基礎、基本トレーニング
   ②実戦的基本トレーニング(シミュレーショントレーニング)
   ③実戦トレーニング
です。順に説明してまいります。
  
 まず①基礎、基本トレーニングです。
武道には必ず形(kata)というものがあります。一見、試合に特化してみると形(kata)は必要ないのでは?と考えると思います。しかしながら、どうでしょう。高校時代数学を勉強した際に過去問や問題集から入ったでしょうか。必ずわけがわからずとも、結果役に立たずとも教科書を読んだはずです。当時の記憶では教科書はクソだった…なんてお思いになられるかもしれませんが、もし手元に教科書がまだあったなら是非覗いてみてください。きっと「あ…  へー うわーこれ高校時代に知りたかった…」という声が漏れると思います。私は塾講師というアルバイトをしてる関係上そうなる理由を知っているのですが、それは当時の勉強不足が原因ではなく。あなたが精神的に、又は論理的思考が成長したから理解できたからだそうです。つまり、我々一般人には到底理解できないカタチで、「先人の師範たちが教科書として残したもの」だと形捉えてください。だから、必ず形(kata)を何度も何度も練習をし、「◯◯道とはこうゆうものだ! こうゆう原理でやっているんだ!」と理解できるよう努力しようとするのが武道上達の大道なのではないかと感じました。ですので、剣道で言う素振り、空手で言う移動基本、柔道で言う打ち込みに、重点を置くことはかなり重要なのではないかということです。
    
   次に②実戦的基本トレーニングですが、
これはシミュレーショントレーニングです。空手の言葉を代用すれば、松濤館20訓の一つに「構え有って、構え無し。」というジキルとハイドを思わせるような言葉があります。これを私なりに解釈したところ、
練習中は「こうやって攻撃するんだ!これを気をつけろって先輩に言われたな!」と自分の所作について考えながら相手に対して身構えても良いが、
試合になったら自分に対しては意識は全くおかず、相手の事にだけ集中しなさい。
となりました。たしかに未熟な選手ほど集中力がありません。では高い集中力を出すにはどうしたらよいか。人間、高い集中力を生み出すには極力集中すべき的を減らすというのが生物学的な理論ですよね。まさにこの言葉通りです。集中力を生み出す為に集中の的を相手のみにする。ちなみに参考程度ですが、これは宮本武蔵著の「五輪書」にも集中力が勝負の鍵、リラックスして相手にのみ集中せよという意の記述がありました。
  そこで考えるのがいかにして自分の構えを無くすかです。それはシミュレーション練習しかないと思います。素人の方や、武道経験が浅い方は、柔道の谷選手が過去に出した8連続技を
 ・その場でその都度、ハイスピードで考えて出した、もしくは技を出す前にこうやって出す!と閃いた
 ・もしくは反射的に8連続技が偶然出た

と思われると思いますがどちらも違います。これは柔道では古賀選手、空手では土佐選手、永木選手、松崎選手etc…全日本を背負う錚々たるメンバーに直接お伺いして得られた答えです。
  ではどのようにして谷選手は8連続技を出したのか。それは事前にそれを練習していたからです。格闘ゲームをやられたことがあるからはお分かりいただけますが、格闘ゲームにはそのキャラごとに必殺用のコンボの技があります。「◯×△□←◯」等々こう押すとこんな連続技が出るよ!というものがあります。試合というのは単体の技では決まらないのは誰でもわかります。そこで誰しもがコンビネーションを考えます。つまりここからが試合の勝敗をわけるということです。
  ゲームの中ではボタンの順番さえ覚えれば毎度毎度同じクオリティの攻撃が出せます。しかし現実社会ではそんなことありえません。自分で考えた、もしくはどっかから仕入れたコンビネーション技を、これでもかというばかりに練習し、肘を気をつけなきゃ… 足を気をつけなきゃ… という不安が消えるくらいのクオリティまで持っていき、しかも毎度毎度同じクオリティで出せるようにする。そうすることで1,2,3…ハイ! とリズムを刻んで出すのではなく、椅子から立ちあがった瞬間、極論起きた瞬間でもでもできるようになれば、出そうと思った瞬間に100点のハイクオリティで技が出せるようになるのです。
 柔道だと技が限られてるから当然…と思われるかもしれませんが空手でもそうなのです。史上もっとも世界大会優勝回数が多いアガイエフという選手は、一見パフォーマンス性の高い選手ですが、よく試合を見てみると得点してる技は実は2種類しかありません(ちなみに柔道の近藤亜美選手も多く見積もってたった3つ)。何も考えずに観るとものすごい反射真剣で避けて連続技だしてるなーっと思いますが、高校時代アガイエフ選手の練習を覗かせてもらった際、「2つ目のこの後タイミングで技が来てそれを避ける…」というように彼は相手を避けることまで含めた連続技の練習していただけだと発覚しました。すなわち、偶然の産物ではなく、極めに極めた2種類だけを武器として持ち、それをぶつけるチャンスを今か今かと伺って試合をしていたということですね。そんなバッキバキに磨かれた技をもちながらこちらの動きや隙にのみ集中されたらそりゃ誰もかないません…笑
   話は長くなりましたが、まとめるとこうです。武道において、反射的に連続技を出すということは絶対になく。前もって用意しておいた たった一つの技だけで試合をする。その際その技を磨きに磨いておくことで自分の身体への意識は必要なくなり、さらに技を一つ二つにすることでなんの技を出すかということにも意識がいらなくなり相手にのみ意識を送り高い集中力を生み出すということが先人の一流達の共通した考えだということです。
 
  最後に③実戦的トレーニングですが、
これは②で鍛えた自分の武器が実際どうゆうタイミングで、どの距離で出すのか学ぶための練習です。ひとりで行ったり、相手に止まってもらっている時なら完璧にできるコンビネーションでも、動かれたり、ディフェンスされたりするとできない…を防ぐための練習です。これはどのスポーツ、部活においてもみなさんやられているので簡略してしまいます。


  以上長くなりましたが、
 先日書いた記事と合わせまして、今の練習はこの①.②.③どの練習で、さらにはそれ以外にどんな目的があるのかということを意識すると上達が早いのかもしれませんね。 また、多く競技者(特に学生選手)の方は①②を甘んじる傾向があるので警鐘になればいいかなとも思い書きました。ということでもしよかったら武道家読者の方武道部を検討している新入生の方は参考にされてはどうかと思います。。。
   自分もまた新たな発見ができるよう励んでまいります。一緒に頑張りましょう。

ではでは。。