加藤健人さんにお話を聞きました!

■いままでに、「あのとき心のトビラが開いたなぁ」と思った経験を教えてください。
ブラインドサッカーに出会ったとき。
もともと小学生のころからずっとサッカーをやっていたのですが、
高校生のときに段々と視力が失われていきました。
それで盲学校に通うようになったんですけど、
盲学校に行くのが嫌で嫌で…。
盲学校に入っていく時に、誰かに見られてるんじゃないかって
思っちゃうんですよ。
別に誰が見ているわけじゃないって、頭ではわかってるんですけどね。
「障がい者」に見られたくない…
そんな気持ちが強くて、家を出たくなくなっていました。
そんなときに両親がインターネットで
ブラインドサッカーを見つけてくれたんです。
つくばでやれるっていうので見学に行ったんですけど、
そこでもう、「これしかない!」と思い、
つくばに行くことを決めました。
■ブラインドサッカーを知ったことで、生き方や考え方は変わりましたか?
すぐには変わっていないですが、
ブラインドサッカーは一歩を踏み出すきっかけとなりました。
当時僕の周りには視覚障がい者があまりいなかったということもあり、
僕のなかでは正直、「障がい者」=「自分ではあまり何もできない人」
というイメージを勝手に持っていたんです。
でもブラインドサッカーを知って、案外、
自分で自分のこともやれるんだってわかりました。
それまでは、例えばどこどこに集合ねって言われても、
「俺見えないから行けません」みたいに言っちゃうこともあったんです。
でもあるとき健常の方に
「いや、見えなくても来てる人いるじゃん」って言われて、
自分は見えないことを理由にして
動かなかっただけなんだと気づきました。
わからなかったら聞けばいい。
できなかったら協力すればいい。
でもその時の自分はハナから
「見えないからできない」と決めつけていたんです。
ブラインドサッカーを始めたことで、「見えない」を
言い訳にしていた自分に気づくことができて、
そこからいろんなことに挑戦するきっかけとなりました。
■ブラインドサッカーが、加藤さんの『心のトビラ』を開いてくれたんですね・
そうですね。ブラインドサッカーがなければ今の自分はないですし。
■ブラインドサッカーは、加藤さんにとって一言でいうとなんですか?
「自分らしさが出せるもの」ですね。
引きこもっていたときの自分って、
自分であって自分じゃなかったんですよ。
自分はもともとクラスでもちょっと悪ふざけをするような、
クラスの盛り上げ役のようなタイプでした。
頭悪いのに学級委員やっちゃうようなタイプですね(笑)。
サッカー部の部長とかもやってましたし。
だから引きこもっていたときの自分は、自分じゃなかったんです。
それがブラインドサッカーに出逢って、前向きな自分に戻れました。
■引きこもっていた頃の加藤さんは『心のトビラ』を閉ざしてしまっていた。
そしてそれは自分らしい自分ではなかった…ということですね。
そうですね。トビラを開くきっかけって難しいとは思うんですが…
でも、ブラインドサッカーを知って
一歩踏み込んだのが大きかったです。
ブラインドサッカーを知ったからといって、
別にやらなくても良かったはずなんですよ。
でも、なぜかわざわざ親元は慣れて一人暮らししてまで、
ブラインドサッカーをしに行っちゃった。
これしかない!っていう感じだったんだと思います。
■いま、ご自分のなかに『心のトビラ』はあると思いますか?
うーん、やっぱりそれは、あると思いますね。
「今、治せると言われたらどうする?」というトビラですかね。
自分は治らない病気ではあるんですけど、
でも将来的に可能性がゼロってわけではないでしょうから。
でも今もし治ったら…変な話、日本代表選手にはなれないんですよ。
もう「ブラインドサッカー」は自分の個性になっている。
かと言って、じゃあ治せるのに目が見えないままでいいの?って
言われると、どうかなぁと。難しいところではありますね。
■迷いがある、という感じでしょうか?
そうですね。
一生このままでいいのかと言われると、ちょっとわからないですね。
そう考えると、自分がいまの(目が見えない)状況を
受け入れきれているのかどうかっていうのは、迷うところではあります。
■加藤さんにとって、『心のトビラ』はどんなイメージですか?
そうですね…1個ではないです。
でも最初の1個はきっと案外軽いんですよ。
家のトイレの扉みたいな感覚で。
で、最初の1個をあけると、次に今度はいくつかの扉がある。
だからまず最初の1個を開けることが大事だと思います。
好きな言葉は、「始めなければ始まらない」という言葉ですね。
■加藤さん、ありがとうございました!

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*ふゆこの感想
とっても明るく気さくにお話してくださった加藤さん!
今回のインタビューのなかでは、私は特に
「心のトビラを閉じてしまっていた自分は、
自分らしい自分じゃなかった」
という言葉が印象に残りました。
心のトビラを閉じていたときは、きっと迷うこと、
悩むことがたくさんあったのだと思います。
でも今の加藤さんは、もう目をきらきらさせながら、
たくさんの夢を語ってくれました。
心のトビラを開くことは、
自分らしく人生を楽しむための秘訣なのかもしれませんね♪
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