かね、カネ、金、で長い事生きて来て、妻を失い、息子を失い、ダチを失い、3度ワッパを掛けられて、留置場で、時間を掛けて、失い続けている自分を知る。

ゆめ、ユメ、夢、は一体何だったんだろう、ベッドの上で目を瞑って、忘れてしまった、一体どうしたら快楽を感じるのかさえ、忘れてしまった自分を知る。

たび、タビ、旅、に何度もいろんなとこに行ったのに、摩天楼、マンホールから吹き出す薄灰色の蒸気、その中で薄廃色の僕のため息、何十年ぶりかの大雪の中で、ちっちゃくて、ちゃっこくて、ちんちくりん、の自分を知る。

そんな自分でも、
やっと帰って来た、やっと帰って来れたんだから、
ここ、ココ、此処、で新しく、まっとうに、自分も知らない自分で生きて行きたい。