師走も押し迫ってきました。
忙しく走り回っている人も多いかと思います。
一息ついたら、この一年を振り返って見ましょう。
充実した一年が送れましたでしょうか?
中には、今年は忙しすぎて働きづめだったとか、寝食を忘れるくらい仕事に打ち込んだ、という人もいるかも。
勤勉で真面目な人ほど、そうなる傾向があるように思います。
日本では、勤労は美徳なので特にそうかもしれませんね。
私も、勤労の尊さ、大切さについては十分同意しますが、働きすぎはどうかとも思います。
たくさん働けば、それだけ収入が増えたり、充実感を感じたりして幸せになれるかというと、そんなものでもないでしょう。
アップルの創始者のスティーブジョブズは、死に際して、以下のような最後の言葉を残しています。
私は、ビジネスの世界で、成功の頂点に君臨した。
他の人の目には、私の人生は、
成功の典型的な縮図に見えるだろう。
しかし、仕事をのぞくと、喜びが少ない人生だった。
人生の終わりには、富など、私が積み上げてきた
人生の単なる事実でしかない。
病気でベッドに寝ていると
人生が走馬灯のように思い出される。
私がずっとプライドを持っていたこと、
認証(認められること)や富は、
迫る死を目の前にして
色あせていき、何も意味をなさなくなっている。
この暗闇の中で、生命維持装置の
グリーンのライトが点滅するのを見つめ、
機械的な音が耳に聞こえてくる。
神の息を感じる。死がだんだんと近づいている
今やっと理解したことがある。
人生において十分にやっていけるだけの
富を積み上げた後は、富とは関係のない
他のことを追い求めた方が良い。
もっと大切な何か他のこと。
それは、人間関係や、芸術や、
または若い頃からの夢かもしれない。(以下略)
あの、スティーブジョブズの言葉だけに、説得力があります。
一生懸命働いて成功を重ねても、長い目で見れば、必ずしも充実した人生が送れたとは言えないようです。
燃え尽き症候群とか体調を崩すとか、ふと気がつくと自分が一人ぼっちになっているとか。
では、ぼーっとテレビを見ていればいいかといえば、たまにの息抜きは否定しませんが、他にもやるべきことはあります。
それは自分の能力を高めることに努めること。
スティーブン・コビー博士の名著、「七つの習慣」の中でも、この大切さが強調されています。
この本では、具体的には四つの能力について努力して高めていくことが提案されています。
それは、肉体、知性、社会や情緒、精神力です。
肉体は、健康で元気な体を作ること。
知性は、読書やセミナーなどで見聞を広めること。
つながりは、円滑なコミュニケーションやボランティアへの参加などにより社会や人とのつながりを持つこと。
精神力は、芸術に触れたり旅行に行ったりして健全な心を育むこと。
これらを常々意識して行うことにより、人生はより良いものになります。
あるいは、このようなことに時間を使うのは、収入に結びつかないとか、忙しくて暇がないという気持ちもあるかもしれません。
ですが、直接的な実利に結びつかなくても、このような活動を行うことによって、視野が広がったり、新しいブレークスルーを生み出すきっかけになることもあります。
それに、このように自己を高めることにより、いざという時に試練に耐えられる心身を持つことができます。
結果的には、自分のビジネスや人生にプラスとなるでしょう。
それよりも何よりも、これから人生の中でより満足感も高まることでしょう。