種取り用の玉ねぎが開花しはじめました。

種を取り続けて数年。

最初は全然だめでしたが、徐々に取れるようになってきました。

今年はその集大成。

今年の秋から、タマネギの全てを自家製の種で賄う予定です。



ちなみに、市販のタマネギの種や苗は多くが雄性不稔のF1品種のようです。

雄性不稔とは、動物に例えると無精子症のオスのようなもので、何らかの遺伝子の欠陥により、おしべが異常で、正常に受粉できないものです。

多いのは、ミトコンドリア遺伝子の異常が原因。

ただし、動物と違ってタマネギでは一つの株におしべとめしべがあります。

ですので、雄性不稔の株でも子孫を残すことはできます。

かつ、ミトコンドリア遺伝子は、母親側の形質のみ遺伝します。

従って、雄性不稔株と普通の株の間で受粉させると、雄性不稔側の株からできる種は、必ず普通の株の花粉が受精した雑種となります。

つまり、適当な花粉を持つ品種を別途準備しておけば、細胞質雄性不稔の種はいくらでもつくることが出来ます。

タネ屋さんからしたら、色んな意味でものすごく魅力的ですね。

ついでに言えば、F1というのは雑種強勢で、異なる品種間の作物を掛け合わせると、もともとの親よりも優れた特性があらわれること。


しかし、異常のある遺伝子を持つ株で優れた特性を得ようとするのも如何なものか、という気がしないでもありません。

ミトコンドリア遺伝子は、細胞の核内遺伝子とは同列に論じてはいけないのでしょうが。

まあ、そういうわけで、タマネギの自家採種にずっとチャレンジしつつも苦労していたわけです。

ちなみに、去年採取した種から育てたタマネギは今ひとつ肥大化がよくありませんでした。

しかし、これについてはタネと私の栽培方法両方から改善して、肥大化してもらおうと思っています。