ぼかし肥をかき混ぜていたら、ネキリムシが一匹、出てきました。

 思わず声をかけます。

私「やあ、久しぶりだな。去年、ナスを定植した時には随分世話になったな(怒)」

ネキリムシ「・・・」

私「寝たふりしたってムダだぜ。調べはついてんだ。おめえさんは冬眠しねえんだろ、ええ?」
(なぜかべらんめえ調に)

ネキリムシ「・・・」

私「そうか。どうしてもシラを切るってえんだったら、こっちにも考えがあらあ!」

 そして、ポットに土を盛ってその上にネキリムシを置きます。

 すると、暫くじっとしていたものの、五分もたたないうちに、ネキリムシはもぞもぞと土の中にもぐり込もうとします。

私「ほら、起きてるじゃあねえか!」

 再びネキリムシを引きずりだします。

私「今日はおめえさんに会えてよかったぜ。ちょいとつきあってもらうぜ。」

と、そこで取り出したのが一味唐辛子。

 去年栽培して収穫したトウガラシを、農薬代わりにするため、粉にしたやつです。

 そして、ポットの土の上に唐辛子を撒き、その上に再び寝たふりをしているネキリムシを置きます。

 すると、先ほどとはうってかわって動きが素早くなり、もがきながら土に入ろうとします。

私「どうでえ、効いてるかい?」

 最後にダメ押しでネキリムシの上に唐辛子をかけました。

 ネキリムシは、ますますもがいています。

 ただし、死ぬほどのことはなさそうです。

 こちらも、別に死んで欲しいとまでは思っていません。

 人を憎んで罪を憎まず、もとい、罪を憎んで人を憎まず。

 土の中から出てきて悪さをしなければそれでいいのです。

 今回テストしてみて、なかなかの効果が実感できたので次の定植の時に、株の周りに唐辛子を撒いてみるつもりです。

 構想から2年、ようやく今年の春にネキリムシ対策は実行段階にうつります。