昨日の新聞で、韓国の大統領に対する報道を巡る、日本の新聞の編集者の公判がありましたね。
報道の自由は大切です。
前に見た記事で、国境なき記者団という団体では、この問題で韓国は報道の自由が低下したと、コメントしていました。
ところで、よその国はさておいて、日本はどうなのでしょう?
上述の団体が、各国別の報道の自由ランキングを出しています。
これによると、実は日本の報道の自由度は59位で、韓国(57位)よりも低くなっています。
これは、インターネットで調べてみれば、簡単に出てきます。
先の報道では、韓国の報道の自由ばかりに焦点が当てられ、日本については全く述べられていませんでした。
メディアの情報は、注意して受け取らなければならないといういい例です。
メディアに限らず、世の中で常識とされていることが必ずしも正しいとは限りません。
例えば、健康に関する常識もそうです。
・塩分を取ると高血圧になる
・タバコを吸うと、ガンになりやすい
・アルミ分を摂取すると、アルツハイマー病にかかりやすい
いずれも、必ずしも真実とはいえません。
人間の身体は個人差が大きく、一概に上記のようになるとは限りません。
こう書くと、少しの例外があるだけで、ほとんどの人はこうなる、と思われるかもしれませんが、そういうわけでもありません。
例えば、塩分をとると血圧が上がる人は全体の2~3割に過ぎません。
逆に、塩分を取ると血圧が下がる人もいます。
また、喫煙者と肺がんの関係についても、少し調べてみると、含蓄のあるデータが出てきます。
喫煙者の肺がんによる死亡者数は、非喫煙者よりは多いですが、全体の0.03~0.1%です。
多くのサイトを見ると、喫煙者の肺がん発生率や死亡率は、非喫煙者に対して何倍になる、という書き方をしています。
しかし、全体で見ると死亡者数は1万人に3人から10人に過ぎないというデータになっています。(発生者数は調べきれませんでした)
統計の処理の仕方にも、目を配る必要がありますね。
社会問題などに関する情報も、特に注意しなければなりません。
・少年犯罪は年々増えている
→ 実は、年々減っています。
少年犯罪は、ほとんどが窃盗とか万引き、凶悪犯は増えているのでは?と思うかもしれません。
しかし、凶悪犯も減っています。
ただし、ここ数年は下げ止まりの傾向があります。
・日本は1000兆円を超える大赤字を抱えている
→ 正しくは、日本政府の赤字です。また、実は負債額だけが宣伝されていて、資産額はほとんど報道されていません。
日本全体の総資産額は1000兆円を超えていて、差引すると資産の方が多くなっています。
ここに挙げた例は、多くが日本国の各省庁の発表している統計データをインターネット上で調べたものです。
国のデータでも信用できない、と言われればそれまでですが、公表されているデータの中では最も信頼できるものと思われます。
ただし、上述のガンの例のように集計の仕方には注意が必要です。
このように見てみますと、私たちの感覚と実態とはかなりかけ離れているものが多いですね。
世の中、何が本当か信じられなくなります。
極端な話、映画のマトリックスのような仮想現実の世界に生きている、という気もしてきます。
このように歪められた認識を持つ原因は、報道の意図的、もしくは無意識的な偏向だけが原因ともいえません。
私たち日本人自身、常識の枠に捕われやすい性質を持っているため、という面もあります。
映画のマトリックスでは、最後に、人間がこのまま恵まれた仮想現実の中で生き続けるか、あるいは厳しい現実の中で目覚めるか選択を迫られます。
私たちも、もしも多くの歪められた常識から脱したいと思うのであれば、当たり前に思えることでも疑ってみた方がいいかもしれませんね。
○○は△△でなければなならないとか、○○は△△以外にない、という決めつけをせず、○○は△△以外の可能性もある、という柔軟な発想を持つようにしましょう。