我が家の隣にも田んぼがありますが、その向こう側にガソリンスタンドができています。
夜中もライトで、煌煌と周囲を照らしています。
夏場にカーテンを開けて寝ていたりすると、まぶしくてかないません。
やっぱり、夜は暗い方がよいです。
光害という言葉もあります。
夜間の照明の影響で星が見えないとか、エネルギーが無駄使いになるとか、生態系に影響があるとか。
そこで、今回は夜間の光の植物に与える影響について調べてみました。
植物はいうまでもなく光合成により栄養分を得ますが、それ以外にも光と植物の生育は、密接に関連します。
色んな影響がありますが、そのうちの一つに光周性があります。
光周性とは、光のあたる周期によって、植物に生理的な変化が起こることです。
例えば、ホウレン草とか春菊とかコムギとかは、長日植物というものに分類されます。
冬から春にかけて、昼間の時間が長くなるとともに花芽ができます。
逆にイネやダイズ、シソなどは夏から秋にかけて、昼間の時間が短くなると花芽ができます。
これを、短日植物といいいます。
日の長さに関係しないものは中性植物と呼ばれ、ナスやトマト等がこれに該当します。
このように、日光によって成長の仕方が変わるのは、葉の中のフィトクロムというタンパク質が関係するためです。
このフィトクロムは、明るい時と暗い時で形態が変わります。
そのうちの暗い時の状態で、何らかの信号を出して生理的な変化を引き起こすとされています。
このあたりは、現在でもまだまだ詳しくは分かっていないようです。
何れにせよ、暗い時というのがポイントです。
暗い時の時間が重要で、一時的にでも夜間に光を当てると光周性は現れません。
光害は、まさに夜中に光を当てる行為といえます。
光害で、もっとも有名なのがイネです。
上述の通り、イネは日長が短くなると開花しますが、道路横にある田んぼなどでは、夜間照明の影響を受けて開花が遅れます。
それにより出穂も遅れ、結果的には未熟な青米が増えて品質劣化します。
野菜ではホウレン草、春菊等の秋野菜など。
日長が長くなると(暗い時間帯が短くなると)花が咲きます。
これらの野菜は、今の時期から秋作で作られる方も多いと思いますが、光のソバではトウ立ちする危険もあります。
他には、玉ねぎもあります。
球の肥大化には、日の長さが大きく関わっています。
品種により異なりますが、晩生種ほど、日が長くなることで球が肥大化します。
これが、光害により小さく結球して成熟してしまいます。
光害は明るさが影響します。
光源に近いところでは、大きくなり、少し離れると影響は小さくなります。
あと、光の色も重要です。
赤い光によく反応します。
逆に、青色光では光害が発生しないことが、イネで確認されています。
これらの他にも、温度の影響とか色々と複雑なことはありますが、今から長日植物を植えるのであれば夜間照明から離れた場所に植えるのが無難でしょう。
<参考にした本>