企業活動をして行く上で、マーケティングという言葉はよく使われます。
しかし、多くの場合、この言葉は曖昧なまま使われているようです。
以前に参加したセミナーで、マーケティングの定義について参加者間で話し合ってみたところ、全員違うことを言って驚きました。
そこで、正式にはどうなんだろうと百科事典を紐解いてみると、マーケティングとは「売れるしくみを考える戦略的企業活動」となっています。
もう少し分かりやすい言い方をすると、「だれに何をどのように売るか」ということです。
農業をするにしても何にしても、商売をするのにこれを意識することは非常に重要です。
私の尊敬する篤農家の方の本にも、農業は経営40%、マーケティング40%、生産20%の割合で力を注ぎなさい、と言われています。
そういうわけで誰に何をどのように売るか考える訳ですが、まず最初の誰が明確になっていない場合が結構多いです。
男性に売るのか、女性に売るのか
お金持ちに売るのか、貧乏人に売るのか
若い子持ち夫婦に売るのか、お年寄りの単身世帯に売るのか
個人に売るのか、会社に売るのか
等々、できるだけ具体的に考えていきましょう。
例えば、ブドウをお年寄りの単身世帯に売りたいとします。
そうすると、喉に突っかからないように粒は小さめにして、種無しにしよう、とか
皮は剥きにくいので、皮ごと食べられる品種にしよう、
わざわざ出かけてもらわなくてもいいように、通販にしよう、
と、相手によって作る品種から販売方法から全部変わってきます。
ところで、ターゲットを決める時によく心配されるのが、それ以外のお客さんを逃してしまうのではないか?ということ。
しかし、実際はその逆です。
上記のようなものは老人だけでなく、例えば小さい子どもに食べさせるのにも食べやすいですし、若い人でも、そんなに老人にいいのであれば自分たちでも・・・とかえって広がります。
ということで絞り込みが重要な訳ですが、ではどのように絞り込むか、というのも問題です。
そんなときは、例えば、この人が喜んでいるのを見たいと思えるような人を選ぶという方法もあります。
商売は相手に喜んでもらうのが基本ですので、そのためには自分が相手のことを喜ばせたいというモチベーションがある方がいいからです。
美味しそうにブドウを食べている人の姿を想像してみて、その時その人がどんな人かを観察してみる
と言った観点で決めてみるのは、如何でしょうか。