ある、ブログをしている人の話です。
その人の記事はとてもわかりやすくてためになるので、そこそこ人気があり、かなり多くの人も訪れていました。
しかし、その人は少し物足りなく感じていました。
どうも、反応が鈍いのです。
多くの人が訪れてくれてはいるのですが、コメントなどほとんどありません。
本当に、読んでくれているのだろうか?と疑心暗鬼だったそうです。
しかし・・・
ある日の記事を境に、急に変わりました。
読んでくれる人の数はさらに増え、何よりも反応がホットになりました。
応援や賛同のコメントも毎回もらえるようになったし、わざわざメールしてくる人も出てきたそうです。
では、きっかけになった、その時の記事とはどんなのだったのでしょう?
それは、その人の過去の大きな失敗談をありのままに書いたものでした。
かっこいいものでもないし、あまり倫理的にほめられた話でもない、
しかも、それにより大きな金銭的ダメージも受けた、
そんな話です。
それでも、あるいはそれだからこそ、読んだ人に大きな共感と反響を呼び起こしたのです。
このように、自らをさらけ出すのは相手とのコミュニケーションを深めるのに大きな効果があります。
これについて、ジョハリの窓という概念があります。
紙に四角い枠を書き、その中に縦軸と横軸を引きます。
すると、ちょうど窓のように四つの部分に区切られます。
そして、横軸には、ある人(Aさん)が自分自身について知っていることと、自分も気づいていないことを分けます。
縦軸には、相手の人がAさんについて、知っていることと知らないことに分けます。
そうすると、その4つの部分はそれぞれ、
「自分自身も相手も知っていること」
「自分は知っているが相手は知らないこと」
「自分は知らないが相手は知っていること」
「自分も相手も知らないこと」
となります。
このうち、「自分も相手も知っていること」を増やすのが、コミュニケーション上は望ましいとされています。
さらに、コミュニケーションが深まる過程で、「自分が知らずに相手が知っていること」を相手から気づきかされるもできます。
ただし、やみくもに自分のことを話せばいい、というものでもありません。
いくら自己開示しようといっても、自分のことばかりしゃべりすぎると相手に嫌われます。
あと、自己開示といいつつ、自己呈示することも多いので、気をつけなければなりません。
自己呈示とは、本当の自分とは異なり、こう見られたいと思う内容を話すことです。
これには、プラスマイナス両方あります。
プラスの自己呈示は、自分を偉く見せたり有能に見せたりすること
マイナスの自己呈示は、自分をことさらに卑下して見せたり自信のないふりをすることです。
これらは、自己開示しているように見せて、実は自己韜晦していることになります。
あまり赤裸々に全てを話すのもどうかとは思いますが、あくまで等身大の自分を心がけましょう。