また、納豆は美味しいだけでなく、栄養価も高い食品です。

 ダイズ自体栄養価が高いですが、発酵により更に有効成分が増えます。

 ビタミンB1、B2、E、ナイアシン、ニコチン酸、等々です。

 特にビタミンB2は元の大豆の10倍にもなります。

 それから、納豆といえば忘れたならないのがナットウキナーゼ。

 この、ナットウキナーゼはタンパク質を分解する酵素として有名です。


 納豆をしばらく置いておくと、アンモニア臭がしてきますが、これは納豆菌自体が、自分の出した酵素で分解されたためです。

 それくらい、タンパク質(すなわち他の菌)を強力に分解する力を持っています。

 従って、これを利用した農薬もあります。

 ボトキラーとかボトピカという製品は、納豆菌の仲間の菌を成分にしています。

 灰色カビ病やウドンコ病等に効果があります。

 主に、予防薬としての効果が謳われていて、先に散布して納豆菌を繁殖させておくことにより病害菌の繁殖を抑えます。

 生物農薬なので、使用回数の制限がないことがメリットとしてあげられます。

 あとは、農家の方が自分で納豆菌を培養して散布することもあります。

 納豆をミキサーにかけて潰し、水で薄めて散布します。

 他に、私はえひめAIを使っていますが、この中にも入っていますね。

 私の場合は、病害の防除よりも、植物の生育を促進する効果がより高く実感されます。



 美味しくて、他の有害菌を退治する働きも強く、おまけに培養しやすい。

 納豆を使わない手はありませんね。



参考にした本


木内幹 木村啓太郎 永井利郎編 納豆の科学─最新情報による総合的考察 建帛社

小泉武夫 菌が地球を救う 宝島社新書