先日、ある会社員の方をコーチングしました。
その人曰く、
差し迫った仕事があって早くやらなければならないが、モチベーションが出ない。
それで、さほど重要でもない楽な仕事を、先に手をつけてしまう。
それが終わって、さあやろうと思っても、やはりやる気が出ずに別の雑用に手を付けてしまう
といった具合です。
よくあることですね。
それで、モチベーションを高めるには?という相談なのですが、気になるのは、その仕事が本当にその人にあっているのか、という問題です。
もっと言えば、その人の価値観とあっているのか?
もし、自分の価値観にあっていれば、仕事のやる気が出ないということも減るでしょうし、例えやる気が出ない時でも、何とか取りかかることも可能です。
それに、本来自分のやりたいことのはずなので、楽しく仕事ができ、それが周りの人からの信頼にもつながります。
逆に、自分の価値観と合わなければ、やっていても楽しくないし、身も入らないでしょう。
では、本当の自分の価値観は何でしょう?と問われたら、たいていの人はわからないのではないでしょうか。
コーチングでは、相手の価値観を知ることが重要ですが、こんな風に直接的に聞くことを思考停止質問といい、答えようがない質問の代表例とされます。
そこで、周辺から聞いていきます。
自分で自分の価値観を知りたいときも同じです。
もしもあなたが、自分の本質的な価値観を知りたい時には、尊敬する人や、大好きな人を思い浮かべてみましょう。
そして、その人のどんなところが印象に残っていたり、気になったりするのかを考えます。
対象は歴史上の人物でも、架空の物語の主人公でも何でも構いません。
ちなみに、私がそう言われて真っ先に思い浮かべたのは祖父母です。
どちらも「明治の気骨」といった言葉が当てはまるような、やや頑固で自分の信念を曲げない、そしてよく働く人でした。
特に頭に残っているのは、祖父の黙々と畑を耕している姿と祖母のいつも何かしら手を動かして働いている姿です。
こうしたことから、私の持っている本質的な価値観は、労働の尊さとか農的暮らし、とかいったところにあるとわかってきます。
そして、そうした価値観を認識していれば、例え何か迷った時にも、どうすべきかの答えがおのずと見えてきます。
もちろん、世間のしがらみから、不本意な選択をしなければならないこともたくさんあると思います。
それでも、それが自分の不本意なことであるとしっかり認識した上で努力して行けば、いずれはきっと自分の価値観に近づいて行くことができるでしょう。