突然ですが、世の中に広告が溢れていますが、広告は何のために出すのでしょう?
自分の商品をたくさん売るためでしょうか?
それとも、お客様に自分の商品を認知してもらうためでしょうか?
色々な答えがあるとは思いますが、私のコーチングの師匠によれば、広告はお客様に賢明な選択をしてもらうためだそうです。
このような、お客様の利益を第一に考えるという、ベネフィットの意識は、農業に限らずビジネス一般の考え方といえます。
特に農業は自然を相手にして生産を行うので、どうしても収穫物の種類や収穫、販売時期がその土地で重なってしまいます。
従って、競合が多く、安売り競争に巻き込まれがちになります。
大規模農地や有名産地であれば、遠隔地にも進出可能ですが、その分大きくなって失敗したときのリスクも大きくなります。
逆に、小規模農家ではリスクが少ないかわりに、小さなパイの取り合いとなり、競争が激化しやすくなります。
それで結局、お客様のベネフィットを如何に満たすか、というところに行き着きます。
ではお客様のベネフィットとは?と考える前に、まずどんなお客様を想定するのかはっきりとさせましょう。
例えば、少子高齢化の流れから、高齢者をターゲットとすることが考えられます。
あるいは、核家族とか単身世帯とか一世帯当たりの人数少ない世帯。
健康の関心の高い層、といったお客様も考えられます。
健康の関心の高い層、といったお客様も考えられます。
このようなターゲットのお客様を想定した上で売り方を考えます。
このとき、モノでなくコトで考えることが大事です。
このとき、モノでなくコトで考えることが大事です。
例えば、高齢者をターゲットにスイカを売るとします。
スイカというモノに着目すると、大きくて立派で甘くてジューシーなもの、といった品質がアピールポイントになります。
しかし、腰のかがんだおばあさんが重いスイカを抱えて台所に立ち、包丁で懸命に切ろうとしているコトを想像したらどうでしょう?
小玉スイカをつくろう、とか、カットして食べやすいサイズにしよう、とか思いますよね。
逆に、エンドウマメとかシシトウとか、小さな野菜についてはどうでしょう?
おばあさんが、目をショボショボさせながら、エンドウマメの莢を一つ一つ手に取ってはスジをとり、時々クビをコキコキ言わせ、肩を叩いている姿を想像してみればどうでしょうか?
こちらでスジを取って出荷しよう!と一瞬思いますが、それは大変なのでやめておいて・・・
代わりに、出来るだけ大きな莢の品種を出せば、莢を取る量も減って手間が省けるかもしれませんね。
このように、大きな野菜はミニサイズ、小さな野菜は、大きな品種というのは考え方の一つの基準となります。
他にも、工夫はいろいろできます。
カット野菜などもそうですね。
あるいは、スーパー等でよく見かけるベビーリーフ。
色んな種類のベビーリーフを混ぜて詰め合わせすることにより、お客様はそのままサラダに使えます。
ネギなども、刻んだ状態にすれば、お客様はそれを料理の上に乗せるだけです。
最近聞いた話では、サトイモは皮を剥くのが面倒なため、消費量がどんどん減っているそうです。
そこで、既に皮を剥いた状態で店頭に並んでいるのが目立ちはじめました。
しかし、生産者が一々、皮を剥いて出荷などしていられません。
そこで、お客様に簡単な皮の剥き方を伝えることが考えられます。
サトイモの皮は、ラップをかけて電子レンジで温めると簡単に剥がれるそうです。
そうしたちょっとしたノウハウを紙に書いて貼っておけば、親切ですね。
農業では、こうしたお客様目線がまだまだ不足しているようです。
こうした目配り、気配りを普段から常に心がけたいものです。
参考にした本