男はつらいよ 柴又慕情

1972年の映画なので ヒロインの吉永小百合は当時27歳。
今で言えば堀北真希のような女優だったのだろうか。

僕は 寅さんファンである。
シリーズは全部観た。
ファンになったのは20歳の頃。
その きっかけは もしかすると何度も書いて来たかもしれないので今回は割愛する。

全作観たのだが 今日のようにテレビで放送となると またテレビにかじりついてしまうのだ。

そういえば最近 群馬県でのロケ地だったバス停が再建されたらしい。
撮影の後 強風で飛ばされてしまったのだが 劇中 印象的な場所だったので 数年ぶりに 国の緊急経済対策交付金によって再建されたらしい。
寅さんの中でもヒロイン中のヒロイン リリーと寅さんが偶然再会する小さな木造のバス停である。
今でもファンが訪れるというから 経済対策交付金で建て直したのは正確かもしれない。

今 寅さんを観て楽しいところは 一つに昔の懐かしい雰囲気が味わえるところかもしれない。
(勿論僕の記憶には無い時代の映画だが。)
東京の柴又には電車が走っているが まだ寅さんの旅先の地方には蒸気機関車が走っている頃の話だ。

今の僕は寅さんと同年代だが 劇中では寅さんの甥 満男と同じくらいで 博と さくら の暮らしぶりは 僕の父と母のそれを見ていると言っても良い。
複雑にタイムスリップしたような ノスタルジックな映画なのだ。

007といえばボンドガールであるのと同じく 寅さんといえば毎回のヒロインだろうと思う。
おそらく今回の吉永小百合も相当な人気のアイドル的女優だったに違いない。
しかし僕は 倍賞千恵子の さくら こそが他の誰よりも「男はつらいよ」のヒロインだったのではないかと思う。
寅さんには名台詞といわれる物も多いが さくらの
「お兄ちゃん…。」
に勝る名台詞は無いと思う。

柴又慕情当時 倍賞千恵子は31歳。
今でいえば 仲間由紀恵 かもしれない。
さくらは今の仲間由紀恵に勝るとも劣らない美しさである。

しかし 芝居は倍賞千恵子の方が百万倍上手い。