歌い方について① 子音を立てるということ | あまからブログ

歌い方について① 子音を立てるということ

カラオケ教室主催者として、たまには歌唱法などに

関することも書いていきたいと思いますカラオケ


今日の話題は「子音を立てる」ということ。

腹式呼吸や共鳴や喉頭原音(裏声・地声など)といった

基本のボイストレーニング的な要素をすっとばして、

いきなり実践的な話題ですみませんm(_ _ )m

やっぱり基本! ←とか言ってるくせに…)


というのは、今日なにげなく有線放送を聞いていたら、

あまり知らないある歌手の歌声が聞こえてきました。

思いのほかいい声で節もいい。楽器でいうと所謂、

「よく鳴っている」のであります。しかしながら、

もったいないことに、言葉が伝わって来ないのです…。

声の良さが災いしているのか、母音ばかりで歌って

しまっていて、楽曲に込められた情景、ストーリー、

喜怒哀楽が伝わってこないのです。聞いている私は、

「上手いこと歌うてはるわ…」と遠巻きに見ている

かんじで、感動には結びつきませんでした…。


よく、「感情を込めなさい」という指摘を耳にしますが、

おそらくこの歌手は感情を込めていると思います。

哀愁の乗った適度なビブラートもよく効いています。

でも、ひとりよがりに聞こえてしまうのはきっと私だけ

ではないはずです…。


大事なのは、感動を「伝える」ことなのです。

ではどうすれば感動を伝えることができる?

詞をよく読んで理解すること、人生経験を積むこと、

確かにそうなのですが、これは出口の見えない

迷路のようなものです。


そこで、一つの方法として、私が提唱するのが、

「子音を立てる」ということです。

どういうことかというと、たとえば、


「かなしい」(kanashii) 「さむい」(samui) 「こいしい」(koishii)

「あなた」(anata) 「おとこ」(otoko) 「たびじ」(tabiji)


など、下線部(特に気にしなくてもよい子音は下線なし)の

音をしっかり発音するということです。特にエコーをかけて

ダイナミックマイクを使用すると、子音のタイミングがずれ、

高周波の音は削られ、子音がボケて丸くなってしまい

がちです。ハウリングカットなど入っていたらなおさらです。


経験上ですが、特に「カ」行「タ」行など、軟口蓋や歯茎を

摩擦して出る子音が弱い人が多く、「サ」行の子音を

効果的に使える人は「哀愁」の表現が上手い(やりすぎると

「サチり」といって聞きづらくハウリングを起こす原因にも

なります)傾向があります。


因みに、教室ではこれらを改善するための、

ある特別な方法も実施していますニコニコ


もちろんこれだけでいい歌が歌えるというわけではなく、

基本の発声に加え、詞をよく読む、情景を把握する、

歌い込みなど、地道な練習が必要ではありますが、

歌だけでなく話すということに関しても「伝える」という

ヒントにはなるはずです。


「歌はしゃべるように…」という言葉もあり、

私自身も「語り」の時は特に十分気をつけています。

普段なにげなく歌ったり聞いたりしている曲を、

ちょっと意識してみてください。