駅前ロータリーに佇むバス停。時刻表もなく、ポールも錆びきっていて怪しさ満点です。周辺住民には廃バス停としか認知されていなさそうですが、実はこれ、現役のバス停なのです。

 

 

今からこのバス停を使う路線に乗りに行きます。

まずは駅前の道路を南進して星和台方面へ向かいます。その名の通り星和「台」は台地上に位置しており、標高を上げなければなりません。

さっそくキツめの上り坂が…。まだ朝の6時台ですが、気温はすでに30℃を超えており太陽が容赦なく照りつけます。

 

 

途中にはセブンイレブンが。広めのイートインスペースもあり、周辺住民の憩いの場となっているようです。

 

 

坂を登りきると星和台一丁目交差点です。

 

 

右に行くと西大和学園・王寺方面、

 

 

左手にはイオン西大和店があります。一部界隈にはイオンシネマで有名ですね。

 

 

余談ですが、この辺りは地名とバス停の名称がずれており、ここ星和台一丁目交差点にあるバス停は「中山台二丁目」を名乗ります。ちなみに「星和台一丁目」バス停は西に400mほど進んだ西大和学園の付近(薬井交差点)にあります。

 

 

地図で現在地を確認。このまま直進して片岡台方面へ向かいます。

 

 

上牧町との町境。突然町境が現れたので少し驚きましたが、地形を無視して開発されるニュータウンではそう珍しいものでもありません。

 

 

そして片岡台地区に突入。手前から一丁目、二丁目、三丁目と続きますが、目的のバスは三丁目が始発なので奥まで入り込みます。

 

 

1階部分にコンビニがある集合住宅はよく見ますが、スーパーとなると少し珍しい気がしますね。

 

 

ちょうど王寺駅行きのバスがやってきて通勤客を載せていきました。この辺りは7時ごろに朝ラッシュのピークを迎え、立ち客も多数発生しています。朝早くからお疲れ様です…。

 

 

カーブを曲がるとURの大規模団地が姿を現します。近年、こういった団地の高齢化や人口減少が問題になっていますが、大阪に近いここはそうでもないようです。たしかに都心部まで数十分圏内ですし、家賃が高く治安も悪い大阪市内に住むぐらいなら、ここから通勤するというのも悪い選択ではなさそうです。

 

 

目的のバスの始発地である片岡台三丁目に到着。

 

 

時刻表です。今回のお目当ては9系統大輪田駅行きで、平日朝6時54分発の1本のみの運行となっています。

・・・実は西大和ニュータウンの本格分譲が開始された1971年時点では王寺駅行きの設定はなく、すべて大輪田駅~片岡台三丁目間のピストン運行でした。それもそのはず、王寺駅へ直結する道路自体が存在していなかったのです。

1975年に王寺駅への道路が開通した後も大輪田駅への路線は存続しましたが、当然のことながら乗客は国鉄(後のJR)線を利用できる王寺駅行きに集中するわけで、大輪田駅行きは常に閑古鳥が鳴いていた状況であったそうです。

そのまま減便に減便を重ね、2005年前後に今の運行形態(朝のみ片道一本)となりました。いわゆる免許維持路線です。路線免許をいちど手放してしまうと再取得が面倒なため、1日に1本だけ細々と運行させている、というのが実情です。1日1本でも運行実績にはなりますからね。

(免許維持路線は京都のこれが有名ですが、奈良にもたくさんありますよ)

 

 

・・・ちなみにディズニーランド行きの夜行も1日1本ですが、これは単に需要が無いだけ(笑)

 

 

1日1本のバスがやってきました。当然、乗客は私だけ・・・

 

 

先ほど歩いてきた道を戻るだけなので、経路の詳細は省略します。

 

 

わずか4分で終点の大輪田駅に到着。バスで大輪田駅に乗りつけるのは何だか新鮮な気分ですね(笑)

 

 

すぐ回送になって出ていきました。そう、バス停に時刻表が無い理由は、「ここから乗れるバスが無いから」だったのでした。

 

 

 

 

 

それでは電車で次の目的地へ移動します。

 

 

 

 

 

 

【余談】

こんなこともあったそうです。西大和学園のために残しているんですかね。