人は忘れる生き物、でも忘れたくないものもある。

何もせずとも忘れる事はないだろうが鮮明に覚えておきたい事は記録として残しておきたい。

少しでも鮮明なうちに振り返る。

今だ仕事を終え帰宅し、玄関の前で鍵を取り出すとドアの向こうで扉が開く瞬間をキラキラした

目でこっちを見ている気がする。

真っ暗な部屋に思わず「ただいま」って言って出迎えがないのは奥で寝てるな、そっと行って寝

起きを見てやろうって思ってしまう。

玄関を開けたらなるべく早くズボンを脱がないとスーツが毛だらけになるとパンツ姿になってた

な。何かしていてもふっと見るのはトラの定位置を無意識に見てしまう。

そこにトラは居なくてもいつも近くに存在を感じます。

トラとの出会いはカブが導いてくれた物だった。

カブを連れて実家に帰省した時に、カブが二階の窓から外に逃げ出してしまった事がきっかけだ

った、お盆の休みを使っての帰省でそれまで家から出た事のなかったカブが天窓から外に飛び出

していた。

一週間程度の休みでカブを探していたが帰って来なかった。

その時に産まれて一ケ月位だったのがトラだった。

5匹くらい産まれていた子猫たち、カブが出て行ってから大雨が降り帰っては来れないだろう

と・・・その子たちを眺めていた時、一匹だけ寄ってくる子がトラだった。

他の子たちが母猫のオッパイに夢中なのにトラだけはこっちを見て寄ってきた。

その後もカブの帰りを待っていたが帰らず4日が過ぎ帰る日に。

カブが帰らず半ば諦め地元の友達にカブを見つけてほしいと頼みトラを連れて帰った。

カブが繋いでくれた縁だったな。

そのから一週間後にカブは何くわぬ顔をして帰って来たよと連絡が・・・

腹をすかせていたらしくご飯を食べて元気にしていると。

次の週末に一泊で迎えに行った。

一人暮らしに猫2匹賑やかだったな。



その数ヵ月後に男一人に猫5匹になったな・・・







今まで当たり前だった帰る場所。

落ち着く場所だったはずなのに今は落ち着かない場所になってしまった。